『おてんば母さん』|親孝行大賞受賞作品

【ペンネーム】おとみさんさん
【性別】男性
【年齢】70代
【住所】大阪府吹田市

【「親孝行大賞」のタイトル】
おてんば母さん

【「親孝行大賞」の本文】
母は8年前に102才で亡くなりましたが、おてんばで子どものように天真爛漫な人でした。90歳ぐらいから足が弱って長い距離を歩けなくなり、車椅子で出かけるようになりました。

ある日、バラ園が有名な大きな公園に一緒に行った時に、母が大きな観覧車を見つけ乗ってみたいと言いだしました。

その時の母の年齢は92歳ごろだったので、妻は「動いている観覧者に乗り降りするのでお義母さんにはとても無理!」と強く反対しました。

でも母が子どもころ柿の木に登って落ちた話を聞いていたり、私が幼いころは母がハシゴに登って、庭の高い木の枝を切っているのを見ていたので、観覧車の係員に一緒に並んで乗るのでと承諾をもらって乗ることにしました。

母はさいわい小柄でしたので、乗るときにもしよろめいたりしたら、私が抱きかかえようと思っていたら、サッといとも簡単に乗ってしまい驚いたものでした。

その日は晴天で、観覧車が上がって行くと遠くまで景色が見え、母は「飛行機に乗っているよう」だと子どものようにはしゃいで喜んでいました。

一回転して無事に降りたあと、係員に母の歳を言ったら、今まででおそらく最高齢だと母に握手してくれました。妻は私を睨みながら「とんだおてんばおばあさん」と呆れていました。

母は亡くなる前には少し認知症の症状が出てきていて、直近の物忘れが多くなりましたが、この観覧車に乗った記憶は鮮明に覚えていて何度も楽しそうに話をしていました。

今になって、観覧車に乗ったことが亡くなるまで母の楽しい記憶として残っていたことを思うと、あの時に母に「無理だよ」と言わずに、乗せてあげたのがささやかな親孝行になったのかなと、なつかしく思い出されます。

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