『月見』|親孝行大賞受賞作品

千葉県木更津市
安田蝸牛(ヤスダカギュウ)様の作品

「明日はもう忘れる父と月を愛で」

九月のある穏やかな晩に、帰宅すると今日は仲秋の名月であることを思い出しました。折しも盆の様な月が煌々と東の空に掛っている所でした。

これは是非父にも見せなければと思い立ち、渋る父を宥めすかして庭に連れ出したところ、パッと目を輝せて月を見上げるではありませんか。こんな表情の父を久し振りに見た思いがしました。

既に認知症が大部進行していた父でしたが、健常であった頃には、手すさびながら俳句や短歌の創作もしていました。久方振りに「情趣の心」というものが蘇ったのかも知れません。

良いものを見せて貰ったと何度も言う父も、恐らく明日の朝には覚えていないだろうと思うと切なくも成りました。

しかし今は、その後一年を経ずに亡くなった父への、最後の細やかな孝行だったように思えます。

最新情報をチェックしよう!
>プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

ゆっくりでいい。一歩ずつでいい。
自分のできる範囲でいいから、
周りのことを思いやる世の中を作ろう

CTR IMG