「親孝行についての本を書いてほしい」
と編集者さんから依頼があったのは、2019年の2月のことでした。さらに、
「100個の親孝行を紹介したいんです」
と言われ、戸惑いました。う~ん、10や20ならともかく、100なんて・・・。
そこで、友人・知人に訊きまくったのです。
「どんな親孝行してますか?」
「こんな親孝行して、喜んでもらったみたいなこと、ありませんか?」
すると、そのほとんどが、
「マッサージチェアを買ってあげた」
「敬老の日の温泉旅行をプレゼントした」
「毎年、大みそかに、有名ホテルのお節料理をプレゼントしている」
などという「物」に関することがほとんどでした。
さらに、
「物じゃない親孝行はないの?」
と訊くと、きまって返ってくる答えが、
「う~ん、親孝行してないなあ。親不孝なのかもしれん」
さらにさらに、既に両親を亡くしている人からは、
「後悔しているよ」
「もっと、生きているうちに親孝行しておけばよかった」
と暗い顔で言われてしまいました。
「親孝行したい時分に親はなし」
という「ことわざ」があります。こんな「ことわざ」も。
「墓石に布団は着せられぬ」
「いつまでもあると思うな親と金」
「親孝行と火の用心は灰にならぬ前」
どれも同じ意味ですね。そんないくつもの「ことわざ」が残っているくらい、いつの時代も、の誰もが「後悔」し続けてきたのが「親孝行」なんですね。
さて、そんな「後悔」が残らないように、そっと「親孝行をしたいと思っている人」の背中を押して差し上げる本が、もうすぐ出版になります。
「365の親孝行」リベラル社です。
え?!100じゃないの?そうなんです。編集者さんから、「365個お願いします!」と言われてしまって・・・。
志賀内は、両親ともに既に亡くしました。もちろん、満足できる「親孝行」はできませんでした。そんな志賀内の「後悔」の気持ちも込めて、一生懸命に書いた本です。