【ペンネーム】apple56さん
【年齢】70代
【住所】愛知県小牧市
【「親孝行大賞」のタイトル】
ラグのひざ掛け
【「親孝行大賞」の本文】
今はもう亡き人になりましたが、趣味は共に本を読むことが好きな両親、したがって時間がある時は椅子に座るか畳に座るかが多い生活をしていました。
結婚後、育ててもらった恩返しもすることなく時間が過ぎていきました。何か喜んでもらえることがあればしたいと思いつつこれといったアイデアも浮かびませんでした。
ある日、自分たちのブランケットを買いに立ち寄ったお店で、素敵なラグの膝かけが目に留まりました。これなら、無駄もなく使ってもらえるのではないかと色違いの物を2枚求めました。
久しぶりに実家へ行き手渡すと早速膝にかけて、これは「軽くて、暖かくて最高に嬉しい」と異口同音に喜んでもらえました。
大したものでもないものをこんなにも喜んでくれるのは、やはり親ゆえの心だと感じました。これが、結婚後最初の贈りもの、この言葉で義父母にも同じものをプレゼントしました。たとえ、本心の喜びでなくてもいいのです。
こうして子供のことを思っていつまでも大切に使ってくれた親の思いやり。親孝行なんて言えるものではありません。かえって子孝行を感じたものです。
以来、どんなものを頂いても心を頂こうと思いました。