親孝行大賞作品 ★こころぽかぽか賞★『手紙』

【ペンネーム】もりみよさん
【性別】女性
【年齢】30代
【住所】神奈川県伊勢原市

【「親孝行大賞」のタイトル】
手紙

【「親孝行大賞」の本文】

子どもの頃、何かにつけてよく父に、「おじいちゃんおばあちゃんに手紙を書きなさい」と言われた。どんな内容のものでも絶対喜ぶから、と。

お年玉や御祝いをくれてありがとう、とか、運動会の応援に来てくれてありがとう、などのまあまあ大きなことから、
野菜を届けてくれてありがとう、とか旅行のお土産をありがとう、といったプチお礼に加え、
最近学校ではこんなことが流行っています、とか習い事のスイミングでこの間進級しましたのような、
あんまり大したことではないとも思える内容のものまで、結構な頻度で“書かされて”いた。

小学校低学年の頃は、嬉々として書いていた私も、学年が上がるにつれ段々と面倒臭くなり、正直、子ども心に

(どうしてこんなに何度も書かなきゃいけないんだろう。そんなに言うならお父さんが書けばいいのに)

と少々嫌気がさしていたように思う。おじいちゃんの為というより、むしろお父さんの為に書いているという心境だった。

あれから三十年。

私は三人の子の母となり、今、父と同じことをしている。頻度こそ抑え気味だが、娘たちの絵や文字の上手さを褒め持ち上げつつ、じいじの誕生日やバレンタイン、父の日、敬老の日には必ずプレゼントに孫の手紙を添えている。

思えば、あれは父なりの親孝行だったのだと気付く。孫からのじいじばあばへの手紙は、どんなプレゼントよりも喜ばれるからだ。

そして、自分では照れ臭くて言えない沢山の感謝やおめでとうを、代弁してもらえるから。手紙を書くこと・書かせることで笑顔にしたい相手が確かにそこに存在していた。

あの頃の私は父へ、あの頃の父は自分の父親へ。そして私は今、二度目の親孝行をしている。

「ママ、じいじ喜んでくれるかな」

まだまだ幼い二人の娘は、弟を巻き込んで楽しみながらじいじへの手紙を書いてくれている。そのうち、嫌々書くようになったとしても、あなた達からの親孝行を、ママはしっかり受け取っているからね。

実家に帰る度に増えていく、壁に飾られた孫たちからの手紙。それを眺める父の嬉しそうな顔。

ありがとう、お父さん。
ありがとう、娘たち。

私に、親孝行をさせてくれてありがとう。

ママは天国のおじいちゃんに、もう一度手紙を出し直したい気分です。

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