ちょっといい話『言っていいこと悪いこと』志賀内泰弘

岐阜県多治見市で、中学の校長や教育委員会教育長などを歴任された村瀬登志夫さんは、心に浮かんだことや「気づき」になる事柄を常にメモし、「生き方サプリメント101錠」という冊子にまとめてきました。

そのタイトルの通り、101個の心が元気になる話が詰め込まれています。今回、その第1~4集をまとめた合冊版が発行され、その第4集の中のこんな話(64錠目と65錠目)に目が留まりました。

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64 道徳資料「五円はげ」

私は小中学校の学級担任のとき、道徳授業に力を入れてきました。私は自作の道徳資料を多く使いました。その一つを次に紹介します。これは小学校6年生か中学校1年生向きです。

「五円はげ」A男

ぼくの頭には、はげがある。小さい頃からあるので、どうしてできたのか知らない。ひょっとしたら、生まれつきなのかもしれない。 ちょうど五円玉くらいの大きさなので、みんなはぼくのことを五円はげと呼ぶことがある。ぼくは、そう呼ばれるたびにとても悲しくなる。ぼくだって、自分ではげたくてはげているわけではないのに…

今日のことだ。国語の時間に先生はいらっしゃらなくて、自習だった。ぼくが一生懸命語句調べをしていると、隣のB君が、
「消しゴムを貸してくれ」
と言った。ぼくは筆箱の中を見たら、家に忘れてきたらしく消しゴムがなかったので、
「ないよ」
と言った。するとB君は、
「なんや、けちやな」
と言うので、言い合いになった。
「違うて、忘れてきたんやて」
「ふん、分からへん。とにかくけちや、五円はげ」
「なに、そんなこと言わんでもいいやないか」
「へん、ほんでも本当のことやでしょうがないやないか、五円はげ」
ぼくは胸がいっぱいになって、もう、言い返せなかった。
ぼくは、家に帰りながら考えてきた。『本当のことなら言われてもしょうがないのか』と。

65 言っていいこと、悪いこと(「五円はげ」の授業)

この資料の問題点ははっきりしていますし、こうしたことはありがちなので、授業では意見が活発に出ます。
「五円はげは、自分では治せないのでかわいそうだ」
「B君は、人の気持ちを考えていない」
「自分が言われたら嫌なはずだ」
「本当のことでも言うのは間違っている」
などと、B君を非難しました。
「私もそういうことを言われたら腹が立つ」
「この前、そのようないけないことを言ってしまった」
などと、自分のこととして捉えた発言もありました。

また、涙を流しながら、自分のつらかった経験を話す子どももいました。しかし、『本当のことならしょうがないのか』という疑問に対しては、「いくら本当のことでも、人の嫌がることを口にするのはいけない」という発言は出ますが、言っていいこと悪いことの区別に触れた発言はあまり出ません。

そこで私が話します。努力すれば直ったり、できるようになったりすることは言ってもいいけれど、努力しても本人の力ではできないことは、言ってはいけないと。例えば、顔に泥がついているのは、水で洗い流せば落ちます。これは努力すればできることです。

では、努力してもできないことは何でしょう、と問うと、「体が不自由なこと」「障がいのあること」とか「親の様子」「住んでいる家のこと」などの発言が出ます。そこで「身体的なこと」「家庭的なこと」などとまとめました。

学年始めにこの授業を行うことで、いじめ防止の一助になった、と思っています。

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子供は素直ですが、それが災いして残酷になってしまうことがあります。見たままを、そのまま口にしてしまう。それが人を傷つけることまで、心が追いつかないのです。では、どうやって子供に教えたらいいのでしょうか。「言っていいこと悪いこと」を区別すること。ここに、イジメの根本的対策の一つがあります。

ちなみに、「生き方サプリメント101錠 第1~4集合冊版」は、村瀬さんが送料とも無料でプレゼントされています。ご希望の方は、下記までハガキでお申込みください。

507-0825
岐阜県多治見市京町1-132
村瀬登志夫様

まずは一冊、取り寄せられ、もし「これはいい」と思われたら追加で頼まれることをオススメします。お一人何冊でも(100冊でも200冊でも)プレゼントして下さるそうです。

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