岐阜聖徳学園大学で、学校の先生になる夢をかなえようとして勉強する学生を指導している玉置崇教授から、ゼミ生が書いた文章を送っていただきました。眩し過ぎる素直な心に感動。そこで、ご本人にお許しをいただき、ここに紹介させていただきます。
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「良い行いをしなさい」
玉置ゼミ7期生・今井美羽
お食事中の方は、読まない方が良いと思います。
先日の朝、犬の散歩をしている人とすれ違いました。可愛いな~と思って見ていたのです。飼い主さんは、大きなビニール袋とトングを持っていました。小型犬なのに、とても大きなpooをするのだなと思いました。
でも、よく見てみると、袋の中には赤色や黄色の何かが入っているのです。
あれ?
茶色じゃないの?
と不思議に思っていたら、飼い主さんが道に落ちているゴミを拾ってビニール袋に入れました。犬の散歩をしながら、ゴミ拾いをしてくれていたのです。
私は、少し恥ずかしい気持ちになりながらも、朝からとても素敵な光景を見ることができたなと思いました。誰が捨てたかわからないゴミを、誰に頼まれたわけでもなく、拾ってくれているのです。 心の中で、「ありがとうございます」とお礼を言いました。
真似しようとも思いました。私も犬を飼っています。今度からお散歩に行く時は、ビニール袋とトングを持って行きます。
「良い行いをしなさい」という言葉。「お利口さんになりなさい」と言われているようで、あまり好きではありませんでした。
でも、その行い自体が誰かの役に立っていることはもちろん、その行いで誰かの気持ちを穏やかにしたり、誰かの行動を変えたりすることができる、だから、「良い行いをしなさい」と言われるのだなと思いました。
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本当に素直ですよね。他人の行動を見て、「いいな」と思ったら、すぐさま行動に移す。たった、それだけのことが、どれほど難しいか。それは、ほとんどの人がわかっているはずです。
・・・もちろん、私も。
元大リーガー・松井秀喜選手の座右の銘として有名な言葉があります。
「心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
ウィリアム・ジェイムズ(心理学者、哲学者)」
では、どうすれば、心を変えることができるでしょう。人によって、それはさまざま。今井さんは、犬の散歩をしながら、路上のゴミ拾いをしている人を見たことで、心が変わったわけです。
人は、どんなささいなことでも、それをきっかけにして、心を変えられるんだなぁ、と感心しました。