ちょっといい話『自分につく嘘』志賀内泰弘

もしも過去に戻れたら・・・。一度は誰もが思うことです。

子育てのイライラから怒りをぶつけてくる妻の言動に、
「こんなはずじゃなかった。もう一度、人生をやり直したい」と嘆く銀行マンの主人公。そんなある日、タイムスリップして人生を、好きな時点からやり直せることなる。

ところが・・・。過去に戻ってみたものの、やっぱり何をしても上手くいかない。どんどん、周りの人をも不幸にしてしまう。そして、主人公は、悩みに悩んで、もう一度タイムスリップしたいと願う。

ヒットした韓国ドラマをリメイクした「知ってるドラマ」が、大倉忠義さんと広瀬アリスさん主演で、令和3年の1~3月、日本で放送されました。

どう生きたらいいのだろう・・・。幸せって、何なのか?多くの人の共通の悩みが、このドラマのテーマでした。主人公が葛藤するシーンで、キーマンからこんな質問をされます。

「人間は嘘をつく。嘘には2つの嘘がある。どちらの嘘が人生を狂わせるか?」

沈黙の後、答を言います。

「人につく嘘と、自分につく嘘だ」

ハッとしました。これは、こういうことを言っているんじゃないかと思いました。

嘘は、いけない。どっちの嘘もいけない。でも、困るのは自分につく嘘だ。なぜなら・・・人につく嘘は、嘘をついて、自分に有利に働かせようとするためにつく。つまり確信犯です。これは、正義感があれば、思い留まることができます。

ところが、自分につく嘘は、嘘と気付いていない。いや、それが「正しい」と思いこもうとしてしまうところが問題です。

例えば、私の場合。二十歳の時、小説家になりたいと思いました。早速、書いてみました。文芸誌のコンテストに応募して落選。予選も通らず、落胆。

ここで、思いました。そうそう、簡単に小説家なんてなれないのだ。才能がないんだ。本当に僕は、小説になりたかったんだろか?いや、たまたま読んだ本に感動して、自分も書けるのではと思っただけに違いない。そうだ、そうだ。僕にはきっと、他に適した道があるに違いない。

恋をした時も、そうでした。とってもキレイな女の子でした。多くの男性から、声を掛けられていました。ダメ元で、デートに誘いました。
すると、
「ごめんなさい、その日は父の誕生日で家でパーティをするの」
「そうか・・・また誘うね」
「うん」
やっぱり、と思いました。お父さんの誕生パーティというのは断る口実に違いない。僕には高嶺の花過ぎる。付き合ってもらおうなんて、無理に決まっている。きっと、他に僕に合った女の子がいるはずだ。そうだ、そうだ、そうに決まっている。神様が、今回は諦めた方がいいよって、言ってくれているんだ。

そうやって、何度も何度も、自分に嘘をついて生きて来ました。もし、タイムスリップできたなら、書いて書いて書きまくり、コンテストに応募し続けたい。もう一度、デートに誘いたい。

でも、人生は戻れません。でも、今、自分に嘘をつかないことはできます。え?・・・本当か?

今、自分に問います。
「おい、おまえ。自分に嘘をついていないか?」
「はい」
と答えられるかな~。
う~ん、ちょっと怪しいなあ。

でも、でも、自分に言い聞かせます。自分に嘘はつかないぞ!

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