ほろほろ通信『みんなが席に座れた』志賀内泰弘<中日新聞掲載2012年12月16日>

豊田市の藤岡中学校3年の小栗萌花(もえか)さんが、塾へ行くためにバスに乗ったときのこと。

最初は空いていたので小栗さんも座れたが、だんだん混雑して立っている人が増えてきた。

いくつ目かの停留所でおばあさんが乗り込んできた。どこか座れないかと見回している。

すると、すぐ近くでその様子を見ていた小栗さんの友達の青山茉依(まい)さんと大内瑞紀(みずき)さんがパッと立ち、おばあさんに席を譲った。

二人掛けの席だった。どちらか一人だけでいいはずだが、二人とも立ち上がった。おばあさんはシルバーカーを引いていたので、二人分のスペースが空いたことで助かったようだった。

その二人の様子を、ちょっと離れた席から一人の男子生徒が見ていた。やはり小栗さんの友達の森近楓君だった。

森近君は青山さんと大内さんを手招きして、自分が一人で座っていた二人掛けの座席に座ってもらった。その森近君はというと、しばらく立っていたが、その後、他の席に座ることができた。結局、みんなが座れたのだった。

実は小栗さんは、おばあさんが乗ってきたとき、うとうとと居眠りをしていたのだという。友達二人が「どうしよう、席を譲ろうか」と相談する声で目が覚めた。

いつもお年寄りに席を譲ろうと思っている。でも、迷っているうちに他の人に先を越されてしまう。それだけに、三人の友達の優しさに自分の心までもが温かくなったそうだ。

「ほんの少しの気遣いで、みんなが幸せになれました。私ももっと気遣いができるようになりたいです。今度こそは席を譲ろうと思っています」と小栗さんは言う。

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