ほろほろ通信『アンパンマン食べちゃってもいいの? 』志賀内泰弘<中日新聞掲載2012年11月25日>

名古屋市中村区の生駒リサさん (34)が、2歳の娘さんと名鉄電車に乗ったときの話。

頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアの持病がある生駒さんは、抱っこするのは10分が限界。そのため、外出時はベビーカーを使うが、自身も30分と立っていられない。

行きの電車では首の痛みに加え、手もしびれてきたので「席を譲っていただけませんか」と座っている乗客に頼んだ。

しかし、「何で譲らないかんの?」「若いんだから立ってたら」、さらには「やだ!」などと10人以上の人に断られた。

帰りの電車も座れなかった。

そのうちにベビーカーの中で娘さんがぐずり始める。抱っこしても泣きやまず、周りの人たちの迷惑そうな表情に肩身の狭い思いをしていた。

途中、新舞子で3人の男子高校生が乗ってきた。彼らは近寄ってきて娘さんをあやしてくれた。

生駒さんが「うるさくてごめんね」と言うと、一人が「気にしなくてもいいです。なっ!」と他の友達に笑顔で言った。

その後、アンパンマンのキャラクターが付いたラムネ菓子を「これはジャムおじさん」「ばいきんまん」などと名前を言いながら食べさせていたら、機嫌が良くなった。

生駒さんが娘さんに「お兄ちゃんたちにも、どうぞして」と言うと、袋から取り出して「ハイ!」と一つ差し出した。

受け取った高校生の一人が「これ、アンパンマンだけど食べちゃってもいいの?」と娘さんに尋ねるやいなや、娘さんは慌てて取り返した。

その様子を見て周りの人たちもほほ笑んだという。

生駒さんは、「つらい中で優しさに救われました。3人にあらためて会ってお礼が言いたいです」と話す。

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