ほろほろ通信『見知らぬ人たちに助けられて』志賀内泰弘<中日新聞掲載2012年10月28日>

春日井市の木村三千子さん (78)は週に2、3回、春日井リハリビテーション病院に入院中のご主人を見舞いに行く。バス、電車、バスと乗り継いでようやく病院へ。ところが、認知症で寝たきりのため、ほとんどこちらのことが理解できず暗い気分になってしまうという。

ある日、病院の帰り道に眼鏡屋さんに立ち寄ったときのこと。店を出て駅へ歩いていたところ、周り景色が違うことに気付いた。どうやら反対方向に歩いて来てしまったらしい。近くに止まっていた車の運転手の女性に、道に迷ったことを話すと、「私の父も左右を間違えることがあります」と言い、途中まで車で送ってくれたという。

別の日のこと。病院の帰りに勝川駅でバスに乗り遅れてしまった。次のバスまで1時間半もある。「歩いて帰ろう」と思って歩き始めたが、またまた道に迷ってしまった。犬を散歩させていた通り掛かりの男性に道を尋ね、再び歩き始めた。

だんだん疲れてきて足がだるくなってきた。「タクシーで帰ればよかったなあ」と思っていたところに、1台の車が止まった。それは、先ほど道を教えてくれた男性だった。一度、自宅へ帰って犬を置き、車で追い掛けて来てくれたのだという。言葉に甘えて自宅の近くのバス停まで乗せてもらった。

その他にも、電車やバスの中で幾度となく席を譲ってもらったことがある。親切にしてくださった皆さんに「ありがとうございました」とお礼が言いたいとのこと。木村さんいわく「震災後、声を掛けてくれる人が増えたような気がします」とも。

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