ほろほろ通信『修学旅行で一日一善』志賀内泰弘<中日新聞掲載2012年10月21日>

大口町の水谷恵子さん (43)から、ご主人が教頭を務める江南市立布袋中学校での「ちょっといい話」が届いた。

日頃から、布袋中学ではボランティア活動を推奨している。3年生が東京へ修学旅行に出掛けるに際し、出発前日の学年集会で、参加者にこんな呼び掛けをしたという。「一人、一日、一回以上良いことをしよう」。修学旅行も普段の生活の延長にあると考えてのことだった。

さて出発の当日、集合場所の名古屋駅で路上のごみを拾った生徒がいた。早速、一日一善。ご主人はそれを見てうれしくなり、そのごみをついつい写真に撮ってホームページにアップしてしまったという。そのほかにも引率の先生方からこんな報告が届いた。

スカイツリーを見学したときの話。混雑しているので、団体は2時間という時間制限があった。そのため、お土産の売店も長蛇の列。そこに並んでいた生徒の一人が、自分の後ろにいた年配の人に声をかけた。「私の分と一緒にお勘定をしましょうか」と。その人が観光バスの集合時間に遅れそうで困っていることに気付いてのことだった。

ホテルをチェックアウトするとき、「ありがとうございました」と部屋にメモを残した子。国会内の議員食堂で食事をしたとき、店員さんが片づけやすいようにと、弁当箱を重ねて退席したグループ。電車でお年寄りに席を譲っていた子がいるという目撃談も報告された。

二人のお子さんの親でもある水谷さん夫妻は「みんな優しい気持ちを持ち続けて、大人への階段を上ってほしいね」と家でも話をしているという。

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