ほろほろ通信『30年間励まし続けて』志賀内泰弘

稲沢市の内藤はるえさん(76)から届いた63歳の友達M子さんの話。M子さんは30年もの間、一人暮らしの叔母さんの世話や介護をしてきた。その叔母さんが70歳のとき、入院したと連絡が入り駆けつけた。以来、仕事帰りに病院へ立ち寄るようになった。

その後、老人ホームへ入所。97歳のとき、肺炎にかかり寝込んでしまう。気弱になり「早くあの世に行きたい」とつぶやくようになった。そこでM子さんは「100歳まで生きると国から賞状がもらえるよ。市からはご褒美も出るよ」と励ました。耳が不自由なので筆談だ。

すると「国」という字を見て、天皇陛下から賞状がもらえると勘違いをしたらしく「頑張る」と答えた。以来、食欲も出てきて体調を持ち直した。

99歳のとき、また肺炎になった。M子さんは毎日訪ねては背中をさすってあげた。今度こそだめかと思ったが、再び起きられるようになった。きっかけはゼリーを食べさせるとき「起きて食べたほうがおいしいよ」という一言だった。

そして昨年の6月、めでたく100歳を迎え賞状をもらうことができ、たいへん喜んでいた。それからしばらくして亡くなった。

実は叔母といっても、M子さんのご主人の叔母であり血はつながっていない。それなのになぜ…。聞けば自身が早くに父親を亡くして母子で苦労してきた。そんなとき親戚の人の応援で救われた。その恩返しのつもりなのだという。

内藤さんは「自分にはまねできないけれど、こういう素晴らしい人がいることを知ってもらいたくて」おっしゃった。

<中日新聞掲載2012年7月22日>

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