『おもちゃを直す喜び』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

建築の仕事をしている服部幸一さん(49)は、笠寺おもちゃ病院で十数人のメンバーと共にボランティア活動をしている。基本的に部品交換がなければ無料とのこと。

服部さんはもともと、機械いじりが好きで仕事柄手先が器用。まったく経験はなかったが、先輩に教えてもらいながら修理の腕を磨いてきた。

ある時、おばあさんがロボットのおもちゃを持ってやってきた。操作すると恐竜に変身する。三カ月ほど前にお孫さんに買ってやったものだが、壊れてしまった。

購入した店や製造元へ照会したが直せないと言われ相談に来たという。しかし、その場で直すことができ、おばあさんは喜んでくれた。

ところが翌月、また壊れてしまったといいやってきた。どうやら同じところが壊れやすい構造になっているらしい。

再び直してあげると

「今度、壊れたらあきらめます」

とおっしゃるので

「何度でも直しますよ」

と答えた。

服部さんにはボランティアという意識はなく、趣味として直すことが、ただ楽しいのだという。でも、喜んでもらえるとさらにうれしい。

「高校生と中学生の子どもがいます。小さいころ、おもちゃが壊れたら捨てていました。直すという発想がなかったのです。もっと早く、直す喜びを知っていたら、子どもたちを喜ばせてやれたのに」

と服部さんは話す。配線が切れていて、ハンダ付け程度で直せるものが半分くらいあるという。

「駄目もとで気軽に持って来てください。ただしコンピュータゲーム機は対象外です」とのこと。

<中日新聞掲載 2014年10月12日>

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