『私たちのルーツ』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

20年ほど前の話。稲沢市の関英子さん(69)は、たまたま知り合いから「うちの息子にいい人いませんか」と頼まれ、職場の同僚の女性を引き合わせた。

すると二人は意気投合。話がとんとん拍子に進み、結婚式ではご主人と仲人を務めた。挙式後初めての正月に、その夫婦があいさつにやってきた。翌年の正月には赤ちゃんを連れてきた。仲人としてこんなうれしいことはない。

英子さんは、慣習として仲人への正月のあいさつは3年間だと聞いたことがあった。ところが、その夫婦はその後も毎年やってきた。3人の子宝に恵まれ、家族全員でやってくる。

子どもたちが小学生になってからは、トランプを持参。関さん夫婦も交えて7人でトランプ大会になる。関さん夫婦にも3人の子どもがいるが、全員が独立して家を離れている。それだけに一家の訪問は毎年の正月の楽しみになった。

その子どもたちも現在、長男は20歳、長女は高校2年生、次男は中学2年生。それぞれ友達との付き合いもあるだろうが、今年の正月も家族そろってやってきた。長男は飲食店に勤めているが、わざわざ休暇を取ったのだという。

「親子の会話が少ないといわれるこのごろですが、仲の良い様子を見ているとうれしくなります。以前、どうして毎年来てくれるのかと何げなく尋ねたことがあります。すると『私たちのルーツだからね』と言われました。きっと、そんな会話を家庭の中でいつもしていて、子どもたちにも伝わっているのでしょう」
と英子さん。もう次の正月が待ち遠しいという。

<中日新聞掲載2014年4月13日>

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