『帰ってきてくれてありがとうね』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

稲沢市の名郷(なごう)光子さん(62)には、4人の孫がいる。そのうちの一人、小学6年の輝笑(きえ)さんは生まれたときダウン症と診断された。

赤ちゃんのころは風邪をひくと、すぐに肺炎になってしまい、何度も入院した。1歳のときには心臓の手術もした。どうしても同年代の友達より体力も劣ってしまう。歩くのが遅いので学校の集団登校に付いて行けない。

そこで上級生が毎日付き添ってくれた。帰りも送って来てくれる。家族はもちろん、周囲の人たちのおかげですくすくと育ち、心身ともに成長した。

今では、洗濯の取り込みや配膳も手伝ってくれる。病院では「他の兄弟と同じように接してください」と指導されていたので、光子さんはずっと障がいに関わりなく、他の孫と同じようにかわいがってきたという。

輝笑さんの両親はともに働いているため、学校から帰って来ると光子さんのところで毎日おやつを食べる。光子さんも、輝笑さんのためにできるかぎり家を留守にしないように心掛けてきた。

昨年の夏の盛り、光子さんが体調を崩して入院したときのことだ。幸い4日ほどで退院でき、帰宅すると輝笑さんが「ばあちゃん、帰ってきてくれてありがとうね」と言い、抱き付いてきた。うれしくて思わず抱き返し「ありがとね」と答えた。

「私が旅行に出掛けるとき、車で迎えに来てくれた私の友達に『おばあちゃんをよろしくお願いいたします』なんて言ってくれるのです。輝笑は私の宝です」と光子さんは話す。

<中日新聞掲載2014年4月6日>

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