『仲間の励ましに支えられて』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

岡崎市の鶴田よし子さん(65)はチーム輝葵踊(ききょう)の代表を務め、ど真ん中まつりに参加して7年がたつ。大勢の人たちと一緒に踊るのが生きがいだ。

東日本大震災の直前、鶴田さん自身にも突然の不幸が襲った。血液のがんといわれる多発性骨髄腫にかかっていると告知されたのだ。目の前が真っ暗になった。病気の事実を受け入れがたく、眠れない日が続いた。

そんな時、チームの仲間に励まされた。家でふさぎ込んでいると、「大丈夫?」「練習よりも体の方が大事よ」とメールが届く。

病気になって初めて気付いたこと。それは普通のことに感謝できるということだ。呼吸するのも当たり前ではなく特別のことなのだと。そして仲間がいて、病気の自分を励ましてくれることも。

そんな中、昨年10月5、6日に岡崎城二の丸能楽堂で開催された市民劇「三河一向一揆〜家康自立への戦い〜」にチームの仲間5人で参加した。猛暑の中での練習は、特に体調管理に神経を使ったという。

免疫力が低下して疲れやすく、風邪をひきやすい。熱が出るとなかなか下がらない。

また、骨が折れやすく、少し腰に痛みがあっても「折れているのでは」と心配になる。ここでも仲間の励ましに支えられた。

「どうか本番の日まで元気でいられますように」との願いがかない、無事に舞台を拍手喝采で終えることができた。

「練習はつらいです。でも、休めないというよりも休みたくないのです。みんなの笑顔に会えるから」と鶴田さん。週2回、踊りの練習を今も続けている。

<中日新聞掲載2014年1月5日>

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