『金髪の若者に学んだ』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

名古屋市中川区の建築会社に勤める日比友和さん(38)は最近、一人の若者と出会った。

それは、建築現場で足場を組む仕事をしているA君だ。初対面の印象は良くなかった。金髪だったから。ところが実にしっかりしている。

朝、現場へ来ると「おはようございます」と笑顔であいさつ。「どこをやらせていただいたらよろしいでしょうか」と、きちんと敬語が使える。「どーしたらいいっすかねー」などと、ため口で言うのが普通の時代に。施主への気配りも忘れない。

聞けばまだ18歳。中学卒業後、とび職の親方に弟子入りして修行を始めた。

そばで見ていると、親方に「もたもたするな!」「頭の悪いやつは何にもできんな」と怒鳴られている。すぐに切れて無断で辞めてしまう人が多い中、口答え一つせず黙々と働いている。

A君が言う。

「外車が欲しくて頑張ってます」と。

日比さんはこれを聞き、自分の若いころのことを思い出したという。田舎から出てきて、自力で部屋を借りて独り立ちするのが夢だった。次には車を買った。結婚して子どももできた。

「いつの間にか今の生活に満足し、ハングリー精神がうせていたことに気付かされました。最初はどんな小さな目標でも、それを達成すると次の目標が見えてくる。そうして自分も成長してきました。この若者の行動を見て、初心に帰ることができました」と日比さん。

「自分の息子はまだ小学生ですが、常に目標を持ち、道徳心のある人間に育ってほしいと願っています」とも話す。

<中日新聞掲載 2013年12月15日>

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