『命の恩人に「ありがとう」』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

今年の3月21日のこと。江南市の町野吉美さん(57)は、勤め先の上司から「家が火事だそうだ。すぐに帰宅して」と言われ、真っ青になった。

吉美さんは、両親、夫、3人の子供の7人家族。その日は81歳の母親と次女が家にいるはず。取るものも取らずに駆け付けると家は焼け、そこにはぼうぜんとして座り込む母親の姿があった。

聞けば、母親が気付いたときには、火の勢いが強く、吉美さんの次女がいた2階には上がれなかった。次女には先天性の心臓疾患と知的障がいがあり、普段は作業所で働いている。

たまたまその日は仕事が休みで、2階でテレビを見ていた。母親は外に飛び出し「助けてー!2階に孫が」と叫んだ。火の手はますます強くなっていた。

その時、通り掛かりの男性が燃え盛る火の中に飛び込んで行き、2階へ駆け上がり、次女を抱きかかえて救い出してくれた。

そこへ救急車が到着し、小牧市民病院へ搬送された。全身の40%にも及ぶ大やけど。応急措置後、中京病院熱傷センターへ転院し、6カ月間に6回もの手術を受けた。

主治医の先生からは「命の危険があります」とまで言われたが、奇跡的に助かった。おかげで再び作業所へ通えるまでになったという。

「助けてくださった男性をずっと探しています。近所の方たちに聞いても、どなたなのか、誰も見覚えがないとのこと。でも、まるでスーパーマンのようだったそうです。お目にかかって一言お礼を申し上げたいのです。家族みんなで命の大切さに感謝して、再出発しています」と吉美さんは話す。

<中日新聞掲載2013年12月8日>

最新情報をチェックしよう!
>プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

ゆっくりでいい。一歩ずつでいい。
自分のできる範囲でいいから、
周りのことを思いやる世の中を作ろう

CTR IMG