西尾市の神谷美知子さん(65)がご主人と車で京都に出掛けたときの話。
伊勢湾岸道の四日市ジャンクションを大阪方面へ向かうところ、誤って名古屋方面のランプに入ってしまった。仕方なく、次の桑名インターチェンジでいったん、高速道を降りて入り直すことにした。
自動料金収受システム(ETC)車載ではないので一般車両のレーンに入った。料金を支払う際、助手席の美知子さんが係員に「間違っちゃったの」と一言漏らした。
「どうされたのですか」と聞き返してくれたので、恥ずかしながら事情を説明。
すると「外へ出てしまうと料金が高くなってしまいます。通行券にスタンプを押してこのまま使えるようにしておきます」と言われた。少し先の指定場所で待っていると、別の係員が走って来た。
「この先でUターンして入口に来てください。バーを上げるのでそのまま出発してください。新しい通行券は取らないように」と教えられた。実はこのとき、土砂降りの雨。かっぱを着て傘を差し、嫌な顔一つせずに対応してくれたことに感激。
「料金所を再び通るとき『お気を付けて』と声まで掛けていただきました。ETCが付いていないおかげで優しい気遣いに触れることができました。雨音で聞こえなかったかもしれないので、もう一度『ありがとう』と伝えたくて投稿しました」と美知子さん。
係員は二人とも六十代の実直そうな男性だったという。
中日本高速道路に照会したところ、申し出があればETCの場合でも同様の対応をしているそうで、「その際は必ず事前にETCカードを抜いて、係員のいるレーンで申し出てください。無人の場合はインターホンで係員を呼び出して下さい。
くれぐれも慌てて逆走しないように」とのこと。
<中日新聞掲載2013年11月24日>