ほろほろ通信『娘の命日に集まって』志賀内泰弘<中日新聞掲載2013年2月24日>

豊田市の加藤真弓さん(57)の三女知永(ちえ)さんは、中学2年のときに重い病気にかかった。治療のかいがあり一時回復したが、高校受験の翌日に再発。合格通知が届いたものの、1日も高校へ通うことなく亡くなってしまった。2001年11月23日のことだった。

その翌年の命日。知永さんが通っていた中学校のバレーボール部顧問の鶴田容子先生が、バレー部のOBや現役部員を連れてお参りに来てくれた。加藤さんは「なぜ、現役の後輩たちが?」と疑問に思った。

生徒に尋ねると「バレー部の部室に、千羽鶴が飾ってあるんです。『これは何ですか?』と先生に聞いたら、加藤知永さんという先輩がいて、病気で大会に出場できなかった際に、仲間の勝利を祈って贈ったものだと聞きました。その千羽鶴を見てお参りさせていただきたくて」と言う。

そのことが語り継がれ、10年余りたった今も、命日になると、加藤さん宅に大勢の後輩たちが集まる。もちろん、今は社会人となった知永さんの同級生の姿も。

花や菓子が供えられた仏前で、校内の合唱コンクールで練習した歌を披露したり、わいわいと今の部活の報告をしてくれたりする。

加藤さんはみんなに「両親に感謝してください」「命を大切にね」と話す。参加した子たちからは、後日「おいしい料理をありがとう」「命の勉強ができました」とつづった手紙が届く。

「正直、最初のころは元気な子たちを見るのがつらかったです。でも、だんだんと励まされ、癒やされ、元気をもらうようになりました。今年は十三回忌です。皆さん本当にありがとうございました」と加藤さんは言う。

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