ほろほろ通信『おいしい野菜をありがとう』志賀内泰弘<中日新聞掲載2013年2月10日>

田原市の惣卜 裕崇(そうぼくひろたか)さん(25)が高校2年のころの話。

実家がキャベツ農家で、ほぼ1年中、食卓にキャベツが出されていた。キャベツの千切りにキャベツの炒め物…。あまりにも続くので、ある日「こんなに毎日毎日、同じもの出しやがってふざけるな」と、キャベツが載ったお皿を床にたたきつけてしまった。

両親はあきれた表情を通り越し、悲しい顔をしていた。母親が割れた皿を拾っている光景が今も忘れられないという。

惣卜さんは現在、種苗や肥料・飼料を農家に販売する会社に勤めている。仕事柄、農家の人と話をする機会が増え、いかに農作物を育てるのが難しく、大変なことなのかが徐々に理解できるようになった。

そんな日のこと、取引先の農家のご主人からこんな話を聞いた。

「自分で育てた野菜はかわいい。苦労して育てたから自分の子どもと変わらないよ」と。

その瞬間、わがままをし放題の生活をしていた昔の自分が恥ずかしくなり、反省した。両親はどれほどショックだったことかと。

惣卜さんは、あらためて気付かされたという。生きていく上で、お米や野菜は欠かせない。それらは農家の皆さんが作ってくれないと食べられない。さらに、毎日料理を作ってくれる人がいないと食べられない。

「当たり前のことを当たり前と思わず、常に感謝の心を持って日々生きていこうと思いました。妻へ。毎日、おいしい料理を作ってくれてありがとう。農家さんへ。おいしい野菜を作ってくれてありがとう。両親へ。今まで育ててくれてありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです」

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