たった一言でコンテスト受賞作品 ハッピー賞『幸せにしてくれてありがとう!』

神奈川県横浜市
三好さん

<心に響いた「たった一言」>
幸せにしてくれてありがとう!

<「たった一言エピソード」>
親子の関係が切れて約20年。私は父親を恨む事しか出来ませんでした。なぜ母や私たちに暴力ばかり振るう人の子に生まれたのか・・・と。

でも、恨んで恨んで生きていた私が、3年前に長女が産まれ同じ父親と言う立場になりました。

どうしても許せないと思っていた父親。でも子供が成長していくにつれ、私の中にふと憎くて仕方が無かったはずの父親の面影と言うか記憶が蘇ってくる事がありました。

しかも、その記憶はいつも幸せで笑っている時のイメージでした。記憶に蘇る度に、『実は、お父さんが大好きだった。もっと愛して欲しかったのではないか?』と思うようになりました。

だからと言って会いたいとかは思うはずも無く、いや、今更会ってもどう接してよいのかわからなかったからかもしれません。

でも、いつの間にか嫌いな父ではなく、尊敬する父へと意識が変化しているのがわかりました。そして、生きているうちに感謝を伝えたい!・・・と。

ただ、父の居場所はわかりません。

ですが何かのタイミングで会う日が来るのではないか?

そんな予感はありました。

でも、会って何と言えば良いのか・・・それが、つい先日ひょんな事がきっかけで、父親から直接ではなかったのですが、私宛に言伝が来ました。

そして、連絡先を知った私は勇気を出し、電話をする事に・・・

電話先に出た父は、以前のような刺々しい人物ではなく、私がいつも記憶に蘇る優しい父の声でした。私は、うまく言葉に出来ないながらも結婚して、横浜に住んでいること。そして2人の子供がいることを伝えました。

すると、驚くほどその事に対し喜んでくれた父。私は嬉しくて、次に大阪に行く時には必ず子供たちに会わせるから!と約束しました。

その時、父に対して恨み続けてきた自分の小ささ、父を理解しようとしなかった心の貧しさを感じました。

なぜもっと早く言えなかったのか・・・と。

その思いを全て父に伝えようと思い、手紙を書きました。

今まで苦しかった、でもそれが自分自身の心の貧しさゆえだった事、今は感謝いっぱいと言う事、これからは親孝行したいから元気で長生きして欲しい! などを書き、子供たちの写真を付けて送りました。

すると、その4日後に父から手紙が来ました。私を苦しめたことについて謝ってくれ、今までどんな思いで生きてきたのかが書いてありました。

そして、最後に私の妻にメッセージがありました。

亮を幸せにしてくれてありがとう!子供たちを生み育ててくれてありがとう!・・・と。

この言葉が父の想いが詰まった本音だと言う事が痛いほどわかり、涙がしばらく止まりませんでした。

今まで恨みを勝手に感じていたのは私でした。

今からは私の尊敬する大好きな父に、どんな事が出来るかわかりませんが、精一杯親孝行したいと思っています。

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