たった一言でコンテスト受賞作品 ハッピー賞『せっかくの月曜日』

鹿児島県鹿児島市
ペンネーム:みのんさん

<心に響いた「たった一言」>
せっかくの月曜日

<「たった一言エピソード」>
今の会社に勤めだして、10年になろうかという頃でした。休日も土日の2日もらえる事務仕事で、ルーチンワーク。大きな変化もなく安穏と過ぎていく毎日に、私はこれといって何の疑問も感じなくなっていました。

ある時、一時的に人手が必要になり、短期間だけ数人の女性に手伝いに来ていただくことになりました。

彼女は、その中の1人で年齢は50歳前半。小柄でショートカットがよく似合い、言葉使いも美しい綺麗な方でした。

人事部の情報では、長年、大きな会社の社長秘書をされていた経験もあるとのこと。その話も「なるほど」とすぐ納得したほど、彼女の仕事ぶりは丁寧で見習うことが多くありました。

手伝っていただく仕事というのは、近くの取引先に書類を持って行ってもらう、大量の書類をコピーしてもらうなど、少し煩わしいことはあっても難しい内容ではありませんが、彼女には頼まれた仕事を確実にこなそうという意欲が感じられ、用件は必ずメモを取って復唱・確認する、取引先の誰に何時に届けたのか報告するなど、事務仕事の正しい見本を見ているようでした。

そんなある月曜日。

朝から雨が降りだし、ちょうど出勤時は、傘だけではびしょ濡れになってしまうくらい横風も吹いていました。案の定、かなり濡れて会社に到着した私は、ロッカーで濡れた体を拭いていました。

そこに、彼女が出勤してきて、さわやかな笑顔でこう言ったのです。

「せっかくの月曜日が、雨になりましたねぇ」

私の中では、「せっかく」と「月曜日」が結びついたことはなく、一瞬「えぇ?」とぼんやりしましたが、彼女の仕事に対する姿勢がその言葉になったのだと合点がいきました。

また、同時に、自分の仕事に対する姿勢や気持ちが、なんとくすんだものだったのかと、とても恥ずかしくなりました。

休日明けの月曜日は、天気がどうであれ何となく憂鬱で、怠けた体もだるいもの。それは、みんな同じはずと思いこんだ自分。

そうではなく、仕事の始まり、同僚に会える休日明けの初めての日、それが月曜日。楽しみであり、さぁ今週も頑張らなきゃ!と前向きにとらえている彼女。

短期間ではありましたが、いっしょに仕事をさせていただいてとてもよかったなぁと心から思いました。

それからというもの、私は、月曜日も楽しく出勤できるようになりました。雨が降っても降らなくても。

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