ほろほろ通信
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ほろほろ通信『良い友達を持って幸せです』志賀内泰弘

豊橋市の山下雅代さん(60)は、6年前に息子さんを亡くした。28歳だった。以来、十日に一度くらいお墓参りをしている。 4月の初めのこと。お寺の境内に桜の花びらが散っていた。それを両手いっぱいに拾いお墓に向かった。ところが、お墓の水受けを見ると、なみなみと新しい水が注がれて花びらが満面に浮かんでいる。それを見て、山下さんは涙があふれてきた。 息子さんには高校時代の仲の良い二人の友達がいた。卒業後も一 […]

ほろほろ通信『母の日と古ぼけた二足の靴』志賀内泰弘

名古屋市瑞穂区の小栗健吾さん(40)は毎年、母の日に二人の子どもを連れて実家を訪れる。お姉さんも二人の子どもと一緒にやってくる。4人の孫が競うようにして肩を叩く。小栗さんの両親はそれを楽しみにしている。 2年前の母の日のことだ。実家の玄関で二足の靴を見かけた。ペアのトレッキングシューズだ。茶色に変色し、ずいぶん古ぼけている。「あれ?これって…」と首をかしげたとき、母親が言った。 「この靴、15年前 […]

ほろほろ通信『恩返しのコンサート』志賀内泰弘

瀬戸市の尾山寿子さん(73)には重度身体障害の息子さんがいる。範芳さん(44)だ。ポリオ(小児まひ)で四肢機能障害になった。今も車いすの生活で、寿子さんが介護をしている。 小学校4年までは訪問授業で自宅まで先生が教えに来てくれた。ところが教育制度が変わり5年生から養護学校へ通わなくてはならなくなった。範芳さんを背負い路線バスに乗る。途中、迎えに来ているスクールバスに乗り換える。学校の授業中もそばに […]

ほろほろ通信『「ありがとう」と目で合図して』志賀内泰弘

去る1月27日の午後1時45分頃、名古屋市北区の前田稔さん(85)は理髪店に行くため黒川(北)の停留所でバスを待っていた。到着したバスの中を「座れるかなあ」と外からのぞく。満席のときには、次のバスが来るのを待つことにしている。幸いこの時は空席があるように見えたので乗り込んだ。 ところが優先席はお年寄りで埋まっていた。一段高くなっている最後部の座席しか空いていない。「どうしよう」と迷っていると、乗降 […]

ほろほろ通信『レジの女性の気遣い』志賀内泰弘

春日井市の小椋麻咲子さん(35)は、いつも買い物に出掛けるたびに苦労する。生後7か月の息子さんを抱いていると、大きな荷物を持ち運びできない。特売品があっても最低限の物だけ買って帰ってくる。 その日もスーパーマーケットで、眠ってしまった息子さんを抱えてレジに並んでいた。順番が来ると、60歳くらいのレジ係の女性が、何も言わずにエコバッグに商品を詰め込んでくれた。もちろんセルフサービスなのに…。お礼を言 […]

ほろほろ通信『立派なお父さん』志賀内泰弘

瀬戸市の梅田和子さん(66)がスーパーへ買い物に出掛けたときの話。その日は特売日で、10台以上あるレジはいずれも長い列ができていた。順番を待っていると、すぐ後ろに幼い二人の子どもを連れた父親が並んでいることに気付いた。5歳と3歳くらいの男の子だった。上の子が大事そうにバナナを一房抱えている。 待っている間、二人の子は騒いだりせずおとなしくしていた。「この年ごろだと、じっとしていられないのが普通なの […]

ほろほろ通信『頭の中が真っ白に』志賀内泰弘

名古屋市瑞穂区の岡島哲明さん(61)は、昨年の5月初め、のどの異常に気づいた。急にかすれて声が出なくなったのだ。その時、頭に浮かんだのが喉頭がんで亡くなった父親のことだった。「まさか」と思い、大学病院へ飛んで行った。すると、先生は「軽いポリープです。日帰りで手術できますが、予定が詰まっているので3週間後にまた来てください」。とりあえずほっとして帰宅した。 ところが、3週間後に行くと「これは普通の声 […]

ほろほろ通信『お兄ちゃん、これ開けてくれない?』志賀内泰弘

名古屋市名東区の横井和子さん(78)は、4つの病院へ月に7回通院している。とはいうものの比較的元気で、週に1回「戦争と平和の資料館ピースあいち」でボランティア活動もしている。 ところが、この1年くらい特に体の衰えを感じて困ったことがあるという。瓶詰などのふたが固くて開けられないのだ。海苔の瓶はガスこんろで少し温めて布巾を巻いてひねれば開く。 しかし、ペットボトルはガスで温めるわけにはいかない。栄養 […]

ほろほろ通信『ささやかな恩返し』志賀内泰弘

名古屋市熱田区の大西隆信さん(64)は定年退職後、社会へのささやかな恩返しとしてシーン・ボイスガイドのボランティアを始めた。視覚障がい者が映画を楽しむためのお手伝いをする活動だ。 スクリーンが見えないので、画面の風景や俳優のしぐさなどをマイクで説明する。映画の中の会話とダブらないように、簡潔で的確な言葉が求められる。そのため、大西さんが参加している団体「ボイス・ケイン(声のつえの意)」では大勢のメ […]

ほろほろ通信『たくさんある「いい話」』志賀内泰弘

「ほろほろ通信」欄外の「読者の皆さんへ」を読み、中区の三治和代さん(59)は思った。「いい話なんて、そうあるものじゃないわ」と。 「でも何かないかしら」と名古屋駅の構内を歩いていると、前を歩いていた中年の女性が、前かがみになって何かを拾った。それは壊れたメガネだった。そばに落ちていた部品も拾い、近くの派出所へ届けた。 三治さんは「あっ」と思った。落ちていた場所というのが、目の不自由な人たちを誘導す […]

>プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

ゆっくりでいい。一歩ずつでいい。
自分のできる範囲でいいから、
周りのことを思いやる世の中を作ろう

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