ほろほろ通信
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ほろほろ通信

志賀内が中日新聞で連載した「ほろほろ通信」から選りすぐりのいい話をご紹介します。

『1055人にありがとう』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

渡部隆一さん(47)は名古屋市昭和区の児童養護施設「名広愛児園」で施設長をしている。 夏休みに大須スケートリンクから「子どもたちをスケート教室に招待したい」との申し出があった。ほとんどの子どもは初体験なので喜んで受けることにした。 当日、57人の園児たちがスケート靴を履いた。中には3歳の子もいる。しかし、コーチに指導してもらい、こわごわながらも、あっと言う間に滑れるようになった。誰かが転ぶと歓声が […]

『おもちゃを直す喜び』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

建築の仕事をしている服部幸一さん(49)は、笠寺おもちゃ病院で十数人のメンバーと共にボランティア活動をしている。基本的に部品交換がなければ無料とのこと。 服部さんはもともと、機械いじりが好きで仕事柄手先が器用。まったく経験はなかったが、先輩に教えてもらいながら修理の腕を磨いてきた。 ある時、おばあさんがロボットのおもちゃを持ってやってきた。操作すると恐竜に変身する。三カ月ほど前にお孫さんに買ってや […]

『子どもたちの「おもてなし」』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

今年の敬老の日の出来事。名古屋市北区の平井邦子さん(76)は名北小学校で開催されるお祝いの会に招待された。 邦子さんは以前、民謡の踊りを習っていたことがあり、毎年敬老の日になると、仲間と出演して踊りを披露する。 ところが、いつも幕が開くと、あまり喜んでもらえていないような雰囲気が伝わってきた。さらに、来賓のあいさつが長いのも苦手。あまり気乗りしなかったが、友人と一緒に出掛けた。 校門で若葉中学校の […]

『ポチャンとU字溝に』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

それは去年の夏のことだった。刈谷市の高山善直さん(49)が犬の散歩に出掛けたとき、自宅前のU字溝をのぞくと、流水の底に白い玉石がいくつも落ちていた。それは、玄関口に造られた小庭の石だった。 他家の犬が迷い込んで来て落としたのか、それとも近くの小学生のいたずらか…。しかし、U字溝を横断するように整然と並んでいる。その数50個ほど。高山さんは、石を拾って元に戻しておいた。 ところが、次の日も朝になると […]

『北区の赤ひげ先生』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

「ほろほろ通信」は読者の皆さんの投稿を紹介するコラムだが、今回に限り筆者の私事の話であることをお許しいただきたい。 8年ほど前、母親をがんで亡くした。長く病気を患っていた父親の看病疲れから倒れた時には、すでに手遅れの状態だった。その際、在宅看護で支えてくださったのが水野内科・消化器科クリニック(名古屋市北区)水野直樹院長だった。 余命3、4カ月と宣告された母に「人の余命など分かるはずもなく、口にす […]

『地域の皆さん、ありがとう』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

日當(ひなた)郁夫さん(61)は、岩手県野田村の出身。中学卒業後、集団就職で愛知県にやって来た。自動車関連会社に勤めながら定時制高校を卒業し、採用試験に受かって警察官になった。 定年を控えて岡崎署茅原沢駐在所に勤務していたとき、東日本大震災が起き、故郷の村が津波に襲われて半分の家屋が消えた。幸い両親は無事だったが、28人が亡くなった。 発生翌日から、茅原沢地区の人たちが続々と義援金や救援物資などを […]

『二度あることは三度ある』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

岡崎市の三浦敏子さん(68)の長女愛子さんが、就職をしてすぐのころの話。 愛子さんが勤め先の仕事で近くの郵便局へ出掛け、窓口で並んでいると、列の後ろの方から何やら足踏みをしている音が聞こえた。 振り返ると、最後尾の男性が相当急いでいるのか、落ち着かない様子だった。そこで「お先にどうぞ」と順番を替わってあげた。よほどうれしかったのか「どーも」と男性がほほ笑んだ。 別の日の別の時間帯に、また同じ郵便局 […]

『おじいさん、おじいさん』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

田原市の伊藤ちよのさん(66)は45年前、酪農業の家に嫁いできた。家族全員が朝早くから晩まで働いている。120頭の乳牛の世話に休みなく追われる毎日だ。 伊藤さんは、その他にも経理の仕事や社員の管理、もちろん家事もこなしている。家族がお互いのことを気遣う余裕がないほど忙しく、それこそ、人より牛が大切といった具合という。 そんな中、膝の手術のため一カ月間の入院を余儀なくさせられた時のこと。 隣の病室の […]

『一日も早い回復を』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

西尾市の笹尾正子さん(66)は30年間も同じ美容院「舞」を利用している。同じように長く通っているお客さんたちは、店主のことを「先生」と呼んで慕ってきた。 ところが、先生が5年ほど前にくも膜下出血で倒れてしまった。手術をして職場に復帰されたと思ったらまた入院。現在も病院でリハビリを続けている。 留守を預かっているのが従業員のKさんだ。高校生のときにアルバイトに来て以来、30年も先生を支えてきた。先生 […]

『厨房は猛吹雪』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

稲沢市の大坪十三子さん(80)が、名古屋市の名鉄ニューグランドホテルでパートで働き始めた10年前の話。 早朝に厨房の清掃をしていたら、ぬれ雑巾が誤って赤いボタンに触れてしまった。その途端にサイレンが鳴り響き、「ブオーン」という大きな音がして大型消火器から白い粉が噴き出してきた。 厨房は猛吹雪のように瞬く間に真っ白に。大坪さんはぼうぜんとしてその場に立ち尽くしたという。 そこへ次々とコックさんたちが […]

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プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

ゆっくりでいい。一歩ずつでいい。
自分のできる範囲でいいから、
周りのことを思いやる世の中を作ろう。