親孝行大賞受賞作品 ★こころぽかぽか賞★ 『唯一できる親孝行』

【ペンネーム】鷹山さん
【性別】男性
【年齢】33
【住所】埼玉県所沢市

【「親孝行大賞」のタイトル】
「唯一できる親孝行」

【「親孝行大賞」の本文】
病気になって、迷惑ばかりの親不孝者だと思っていた。小さなころから精神的な病気を患ってしまい、つまらない事でケンカをしたり、モノを壊したり、本当に今にして思えば、バカな事をしてきたと思う。そして、そんな自分をずっと見守り続けてくれた両親が凄くありがたいとも思う。

そんな自分をようやく見つめなおせる年齢になって、気休め程度の金額になるのだが、パートというものを始めてみた。ポスティングのパートである。だがこれも、自分の精神的な病気のせいで続かず、最初のうちはがんばれたのだが、徐々に配りに行くのが怖くなってきた。本当に情けないと思う。

そんな時、もう随分な年齢になっている両親が、こう言ってくれた。
「アンタができない時は、私達が代わりにやってあげるからね」

情けないと思いつつも、それに頼ってしまった自分。そうやって、自分の代わりにパートをやってもらった時は、本当に泣きそうになったものである。だから、何か恩返しがしたかった。

今の自分でもできる事で、なおかつ両親が喜んでくれる、そんな事。何かないかなとずっと考えて、ウチでは皆で飲んでいるコーヒーを作ってあげるのはどうかと思った。でもダメだ、それじゃあ恩返しになっていない気がする。もともと予定になかった事を自分が勝手にするだけなので、恩返しというよりは接待にも近いこの案は、あまり良いものではないと思った。

その時、ふと気付いた事があった。カレーライスである。昔から、唯一自分が作る事ができる料理で、我が家は三者三様、作る人によって大きく味の違う、それぞれに美味しいカレーが出来上がるのだ。その中で、自分のカレーを両親は喜んで食べてくれていたはずだった。

だから、思い切ってそれを提案してみた。どうしても自分がパートに行けない時は、代わりに自分が夕食にカレーライスを作るからと。すると両親は、大喜びしてくれた。両親が代わりに出かけた後、自分は早速手間をかけてカレーライスを作り、夕食時には美味しく食べられるようにと、時間調整までした。

これでよしと思い、そして夕食になる。六人前作ったはずのカレーは、自分と両親の三人で食べ切ってしまった。その事実がとても嬉しくて、両親は『作ってくれてありがとう』自分は『いつも助けてくれてありがとう』と、ようやくハッキリ口にできた気がする。

そんな、ちょっとややこしくなったけど、嬉しかった親孝行。これからもパートは続けるし、無理な時もあるだろうけど、その時は絶対に、三人が大好きなカレーライスを作って、日頃の感謝もこめて、笑顔で食べたいと思った。

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