【ペンネーム(掲載時のお名前)】さよかなさん
【性別】女性
【年齢】43
【住所】大阪府 茨木市
【「親孝行大賞」のタイトル】
「母から義母へ」
【「親孝行大賞」の本文】
「何でもやってみな!」
私の母の口癖である。興味を持った物には何でもやってみないことには、楽しいかどうかわからない。
そんな母はちぎり絵を30年近くやっている。先生として教えたり、家でコツコツと作品を作っては何度も大きな賞をもらって、いつも楽しんでやっている。ガンになって手術したこともあったが、常にちぎり絵が母を励まし、頑張らないと!と背中を押して前を向かせていた。
そんなある日「この歳でワクワクすることに出会えた」と嬉しそうに話してきた。水彩画をやり出したことは聞いていたが、最近若い先生に教えてもらってから心がワクワクするようで、歳に関係なく素敵なものを見つけた母が羨ましく、輝いて見えた。
その刺激に誘われて私もずっと興味はあったが、やる機会がなかった陶芸をするチャンスが巡ってきた。このワクワクする気持ちを今、義母にプレゼントしている所だ。
2月に義父が亡くなり大好きな習字も辞め落ち込んで痩せてしまった義母が、今度近くに引っ越ししてくることになった。長年住んでいた家を離れる寂しさと不安で毎日のように電話がかかってくる。そんな話の最後はいつもこう締めくくって電話を切る。
「お義母さん、こっちに来たら、一緒にワクワクを楽しみましょうね」
母から義母へワクワクする心をリレーできることを、私も今から楽しみである。