【ペンネーム】葉子さん
【性別】女性
【年齢】33
【住所】埼玉県 さいたま市
【「親孝行大賞」のタイトル】
『オマモリ』
【「親孝行大賞」の本文】
私は一児の母です。今は優しい夫と可愛い子供に恵まれ幸せな時間を過ごしています。
ですが、私は23歳の時、新卒で入社した会社をたった6ヶ月で辞めた過去があります。自分も辛かったですが、今思い返しても親不孝者だと思います。その後はいくつかの非正社員の仕事に就き、今の主人と結婚。
生活も落ち着き、孫を見に遊びに来ていた両親から、お土産にと神社の御守りを貰いました。お揃いだという母の御守りを、カバンの内ポケットに見つけると一緒に小さなポチ袋がありました。
「なにこれ、これも御守り?」
湿気を含んだ為かヨレヨレになっているその袋を取り出して、
「これは葉子が初任給の時にくれたお金。覚えてないの?」
そう言って母は袋を私に手渡してきました。記憶を辿りますが、7年前のこと。確かな記憶はありませんでした。でも確かにそのポチ袋は私の選びそうな物で、袋には「お母さんへ 葉子より」と自分の字で書いてあります。
「使わない。お母さん嬉しかったの! 頑張って働いた大切なお金をくれて。大切な思い出だから御守りみたいに持ち歩いてて‥」
こんなの使えばいいのに。そう言った私に、母が返した言葉でした。聞くと、父も大切に保管してるというのです。
退職前後に両親から否定的な言葉はありませんでした。しかしやはり親不孝者だったはずです。それなのに、たった一度の小さな恩返しを「孝行娘だ」と喜んでくれる両親。こちらの方が嬉しくて仕方ありませんでした。
これからは2人の喜んでくれることを考え実現しよう!と強く思った日になりました。まずは孫と一緒にお出かけでしょうか。思い出に残る事をたくさんしていきたいと思います。
そしてまだまだ両親には程遠いですが、受けた愛情を子供に還していけるような母親になっていきたいです。
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★6月1日より★
第二回「親孝行大賞」コンテストがはじまりました!
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『「親孝行」にまつわるちょっといい話を募集しています』
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