ちょっといい話『スタバのぬくもり』志賀内泰弘

朝日新聞の夕刊(2020.11.13)の一面に、こんな見出しがドーンと載りました。
「手話の接客スタバのぬくもり」

東京国立市のスターバックスnonowa国立店では、店員23人のうち、なんと18人が聴覚障がいがあり、主に手話や筆談でお客様の接客を行っているというのです。

たとえば、店員さんが、
「今日のコーヒーはグアテマラです。ごっゆっりと!」
と、コーヒーと一緒に、黒いボードにサラサラッと文字を書いてお客様に差し出します。それを見たお客様は、指で、オーケー!とサインをして返します。すると、今度は、店員さんが、手刀を着る動作で「ありがとう」と手話で伝えてほほ笑む。それが、このお店では「ふつう」なのだといいます。

しかし、それを実践するには、企業としてどれほどの覚悟と準備が必要であることか。耳と言葉が不自由でも、社会で働いている人は大勢います。でも、なかなか飲食業では、接客を担当することは難しいのが現実。

本人がチャレンジしてみたくても、最初からバックヤードに配属になることが当たり前になってしまう。経営者やマネージャーとしては、お客様のクレームが怖いだけでなく、「そんなことできるわけがない」と思い込んでしまう。

スターバックスnonowa国立店では、手話がよく見えるようにと、店内の照明を明るくして、カウンターは低めで表情が映える白い人造大理石で作られているそうです。つまり、設計の段階から、聴覚障がいの人達が働きやすいお店作りをされているのです。これはすごい!企業の並々ならぬ覚悟が見えます。

注文のレジでは、
「私は耳が聞こえません」
「指さしでのご注文にご協力ください」
と書かれたボードが示されます。ご存じの方も多いと思いますが、スタバでは細かなカスタマイズができます。例えば、「カフェラテのソイ(豆乳)で、トール(大きめ)サイズのホットで、エスプレッソショットの追加。シロップを2ポンプで、エクストラホット(熱々)にしてください」とか。

そんな注文も、このお店では大丈夫。無料サービスのハチミツを入れて欲しい時、お客様がマスクを一瞬はずして声を出さずに大きめの口を開けて、
「ハチミツ」
と言えば、くちびるの動きを読み取ってもらえるというのです。店員さんは、それに答えて、
「ひと回し? ふた回し?」
と尋ねてくれるのです。

ここで、大切なこと。そう、お客様の理解が必要になるのですね。お客様も、店員さんが耳が聞こえないことを気遣って、どうやったらお互いに快適にコミュニケーションをはかれるか考える。けっして、急かしたり、文句を言ったりしない。

SDGs(持続可能な開発目標)をご存じと思います。国連の持続可能な開発のための国際目標です。
(1)「貧困をなくそう」
(2)「飢餓をゼロに」
(3)「すべての人に健康と福祉を」
(4)「質の高い教育をみんなに」
・・・など、17のグローバル目標があります。

スターバックスnonowa国立店は、その中の
(3)「すべての人に健康と福祉を」
(4)「質の高い教育をみんなに」
(8)「働きがいも経済成長も」
(10)「人や国の不平等をなくそう」
(11)「住み続けられるまちづくりを」
(16)「平和と公正をすべての人に」
(17)「パートナーシップで目標を達成しよう」
と、なんと!7つの目標の達成に貢献できるものと思われます。実に、その存在意義の大きいことか。

一人ひとりの「おもいやり」が世の中を変えていく。たくさんでなくても、ほんの少し「プチ」でいいのです。そう、無理なく、自然にできる範囲で「プチ紳士」「プチ淑女」。誰もがどこへ出掛けてもなんの不自由もなく暮らせる世の中が訪れることを願ってやみません。

※SDGs(持続可能な開発目標)について詳しくは国連のホームページを参照してください。

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