ちょっといい話『「今日一生」の気持ちで生きる』志賀内泰弘

緊急事態宣言が出た夜のことです。大学の同窓で30年来の友人からメールが届きました。
「今は、自分と大切な家族の命を守るため、自粛しましょう。6週間後に笑顔で会いましょう」
と。

彼には高齢の両親がおり、自分の健康が直接、両親の命と関わってくるのです。彼とは休日に不定期に、カフェでお互いの仕事の情報交換や趣味などとりとめない話をしていました。

多い時には、月に二度ほど。でも、このところ3か月も会っていません。1か月くらい前から、「久しぶりに会おうか」と連絡は取りあっていたのですが、「今日」になってしまったのです。

そういえば・・・。このところ、何人もの友人・知人からこんなメールが届きました。
「騒ぎが収まったたら、遊びに来てね」
「前から言っていた人を、ウイルスが落ち着いたら紹介してください」
「久しぶりにみんなで集まろう!元に戻ったら」

志賀内は、日頃、「明日死んじゃうといけないから」が口癖です。よく、「縁起でもないから、そんなこと言うなよ」と言われますが、けっして冗談ではありません。

仏教の教えである「今日一生」を心掛けているからです。世の中は「諸行無常」である。人間という生き物は、自然界の頂点にあるような顔をして生きているつもりでも、所詮、自然界の一部でしかない。自然の驚異にはかなわないし、どんなに努力しても「不条理」なことに遭うとどうすることもできない。

かといって、「世を儚(はかな)む」のを良しとするするわけではない。今日、今、この瞬間を一生懸命に生きること。
「今日一生」
そういう生き方をすることが大切だという教えです。

志賀内は過去に3度、「諸行無常」を感じました。一度目は上司のパワハラに遭い、生死を彷徨う病気になったとき。二度目は、両親がほぼ同時に倒れて、二人を同時に看病したとき。そして、三度目は、カミさんががんになり、6年間、看病・介護をして見送ったときです。

だから・・・。
「会いたい人には、すぐに会いに行く」
「行きたいところへは、早く行く」
「やりたいと思ったイベントを企画実行する」
「友人に友人を紹介したいと思ったら、すぐ設定する」
を実践してきました、いや・・・してきたつもりでした。

というのは・・・。
「う~ん、ちょっと体調悪いから、治ってからにしよう」
「なかなか連絡が取れないから、そのうちに」
「いつでも会えるから、今度でいいかな」
など、先送りにすることが、ままありました。結局、「今日一生」と言いながら、大いに「甘い」生き方をしていたのです。

そこで・・・冒頭の話です。
「いつでも会える」と思っていた友人に、会えない。会えないことで、改めて自分の「甘さ」に気づいたのです。この騒動が収まったら。平穏な日々が戻ったら。
「今度こそ、思ったことは、すぐにやろう」
と決意しました。

いやいや・・・違います。自粛の毎日の中でも、「今日一生」に変わりはありません。今、この瞬間にできること、やれることをコツコツと熟(こな)してゆく。「ウイルスのおかげ」などというのは悔しいけれど、新たな毎日を送ろうと肝に銘じました。

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