ちょっといい話『京都の大垣書店さんのお辞儀』志賀内泰弘

新刊が出ました。
「京都祇園もも吉庵のあまから帖」PHP文芸文庫です。
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そのプロモーションで、PHPの営業さん、編集長さんと三人で、京都市内にある書店さんにご挨拶周りさせていただきました。

もう20年近く前のこと、1冊、2冊、3冊と本を出しても、書店さんには並べていただけませんでした。ご挨拶に伺っても、迷惑そうな顔をされるだけでした。「あの頃」からすると、夢のようです。店内に飾っていただくための色紙にサインをし、販売する新刊にサインを書きまくり、指がいたくなっても、まさしく「嬉しい悲鳴」です。

さて、京都に本店があり、地元で多くの店舗を展開しておられる大垣書店さんが、その中にいくつも含まれていました。

まず、最初に訪れたのは、新幹線八条口からほど近い、イオンモールKYOTO店です。あらかじめPHPの営業さんからアポを取っていただいており、売り場担当のAさんが笑顔で迎えてくださいました。

京都が舞台の小説ということもあり、力を入れて販売してくださるとのこと。すでに、文庫の新刊コーナーには、大きなポップ付きで広く並べてくださっていました。その前で記念写真を撮り、色紙と本にサインを書き30分ほど歓談させていただきました。

さてさて、次のお店に向かうためご挨拶をして、お店の外まで出てきたのですが、ずっとAさんが付いて来てくださるのです。
「え?!」
私たちは、エスカレーターを降りて、通りに出ました。ふと、振り返ると、二階のエスカレーター乗り口あたりで、ずっと見送ってくださっているのです。私は、一礼。すると、Aさんもお辞儀をされました。数歩歩き、もう一度振り返ると、まだ立っておられるのです。うれしくて、手を振ると、Aさんは手を振り返してくださいました。遠巻きですが、ニコニコ笑っておられるのがわかりました。

一流料亭や老舗旅館ならいざしらず。それも、こちらから、本のPRでお願いに訪れたのに。お忙しい時間を割いてくださったにもかかわらず。もちろん、日頃からのPHPの営業さんとの信頼関係があることが元になっているに違いありません。それにしても・・・。

ところが、これは、サプライズの始まりでした。このあとお訪ねした、イオンモール京都桂川店、京都本店、京都ヨドバシ店、烏丸三条店でも、同じ対応をしてくださったのです。すべてのお店で!お見送りしていただいたのです。

最後に訪れた烏丸三条店では、K店長さんと文庫担当のTさんが、なんと烏丸通まで出て、見送ってくださいました。さらに、さらに、そこからタクシーに乗りこんだ私たちを、ずっと見送ってくださるのです。夕暮れ時。渋滞で、なかなか車はすすみません。何度何度も振り返りますが、まだお二人は並んで見送ってくださっているのです。参りました!

実は、「京都祇園もも吉庵のあまから帖」には、「おもてなし」がテーマのお話が一つ含まれています。京都の老舗菓子店に入社した、新人女性社員の奮闘記です。ネタバレになってしまうので、ここに詳しく書けないのが残念なのですが、まさしく「そういうこと!」なのです。(ああ、ストーリーを書きたいけど、我慢我慢)

そのタクシーの中で、編集長さんから聞きました。不振が続く書店業界の中で、大垣書店さんは、地元・京都の人たちから愛され、増収・増益を続けておられるとのこと。

今回の「お見送り」こそが、大きな要因があるに違いないと確信したのでした。プロモーションで、お願いに伺ったにもかかわらず、大きな「学び」をいただきました。大垣書店のみなさん、ありがとうございました。

京都の町にも、私の心にも、さわやかな秋風が吹き抜けました。

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