ちょっといい話『幸せってなんだろう?』志賀内泰弘

先日、同窓会で久しぶりに会った友人から唐突に訊かれました。
「幸せって、なんだろう?」
と。
「お前は幸せか?」と訊かれたのではないのです。あくまで、客観的な質問。還暦を迎えた同級生たちは、さまざまな苦労を乗り越えてきたはずです。多くの者は定年を迎え、人生も最終コーナーに差し掛かります。誰もが思うこと。それは、
「オレの人生は幸せだったのかなあ」
「みんなはどうなんだろう」

「ライオンのおやつ」という小説を読みました。
世界中に翻訳され、映画化もされた「食堂かたつもり」の小川糸さんの作品です。

主人公の海野雫は、30代にもかかわらず、がんに罹ってしまいます。辛い治療のあげく瀬戸内のレモン島にたどりつきます。その島にあるホスピスで、最期の時を過ごすためです。

そのホスピスには、同じように最後の時を過ごしている人たちが入居しています。さまざまな人生を送り、さまざまな悩みを抱えていました。そのうちの一人「先生」は、作詞家です。家庭を顧みず、外に女性を作って放蕩三昧の遊び人でした。最後の時を迎えるにあたり、「先生」はこんなことを口にします。

「この間、女房に言われた。人の幸せっていうのは、どれだけ周りの人を笑顔にできたかだと思う、と」

至言です。本当に、私もそう思います。でも、若い頃は、そんなこと考えもしませんでした。幸せイコールお金、とまでは考えはしませんでしたが、それでも、出世したり、女性にもてたり、いい車に乗ったり、旅行を楽しんだり、美味しいものを食べたり・・・そういう自分の「欲望」をかなえ、満たすことが「幸せ」だと「ぼんやり」思っていました。

それが、歳を重ねるうち、「幸せとは何か?」という質問の答えが、少しずつ見えてきました。自分は、どんな時に「幸せだなぁ」と感じるか。そう、人のために何かを尽くして、感謝された時。人に喜んでもらって、笑顔を見た時です。

そこには、損得勘定はありません。いや、損得勘定抜きだからこそ、相手の笑顔が嬉しくて幸せに感じられるのです。まさしく、「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動の理念「ギブアンドギブ」です。

簡単なことです。目の前の人を喜ばす。笑顔にする。それが、自分の幸せになる。そんな簡単なことが、若い頃にはわからなかったのです。

もし学校の授業に「幸せ」という教科があったなら、よかったのになあ。
「ライオンのおやつ」は、
「幸せってなんだろう?」 という答えを見つけられるオススメの小説です。ぜひ、学校の教材にしてもらいたいほどです。

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