ちょっといい話『「言の葉大賞」入選作から「母からもらった『大丈夫』」』志賀内泰弘

一般社団法人「言の葉協会」では、全国の小・中学校。高等学校から毎年のテーマに合わせた大切な人への思いや強く感じた気持ちを自分の言葉で綴る作品を募集し、その優秀作品を「言の葉大賞」として顕彰しています。

「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動事務局が主催している「たった一言で」コンテストと、大いに趣旨が重なります。今日は、第9回言の葉大賞の入選作品から、紹介させていただきます。

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「母からもらった『大丈夫』」沖縄県 桑江 桃子さん

「また私が一位か・・・」

中学生だった私は、手元に目を落とした。名誉でもなんでもない。なぜならそれは、学級文集の「結婚できない人」ランキング結果なのだから。ブス、ガサツ。それは私のためにあるような言葉だ。まあ、結婚できないと言われても仕方がない。
でも、それでも私は、
「大丈夫、大丈夫。結婚できるさー」
自分でもなぜだか分からなかったのだが、どんな事があっても自分の未来は大丈夫だと信じて疑わなかった。

三十の目の前に迫った頃、やっぱり私は結婚した。子供もできた。産婦人科での妊婦検診では、「お父さん似ですね」と言われ、私は喜んだ。というか、正直ほっとしていた。しかし、産まれてきた娘の顔を見て申し訳ない気持ちになった。

「この子は、私みたいにブスと言われても、大丈夫と思えるのだろうか」

そんな気持ちを抱えながら日々を過ごしていたある日、不意に聞こえた言葉があった。
「かわいい。なんてかわいいの。こんなにかわいい子見たことない」
声の主は私の母だった。母は、目を細めて娘を見ている。私は気づいた。私もそう言われてきたのだ。母の言葉が私に自信を、そして私の未来を大丈夫にしてくれていたのだ。改めて娘の顔を見る。なんてかわいいのだろう。不思議だ。もう顔のことなんて気にならなくなっていた。

あれから時がたち、娘は三歳になった。
「かわいい。なんてかわいいの。こんなにかわいい子見たことない」
今では私の口癖だ。愛嬌たっぷりに育っている娘。もしかしたら、この子にも私が通ってきた未来が待ち受けているのかも知れない。でも大丈夫。今度は私が、この子に自信を、そしてこの子の未来を「大丈夫」にしていくのだから。

*   *   *   *

(編集長・志賀内)

せつないです。
「結婚できない人」ランキングなんて・・・。
でも、そういうイジメは、無くなりません。そんな時、桑江さんは、母親の言葉に支えられて生きてきた。
「大丈夫、大丈夫。結婚できるさー」
「大丈夫」
なんて偉大な言葉でしょうか。
言葉ってスゴイ!
言葉って素晴らしい!!

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