ほろほろ通信『通勤途中のそうじのおじいさん』志賀内泰弘

豊橋市の盛岡明美さん(58)は、自家用車で通勤している。その途中の道で見かける光景について便りをいただいた。

3年くらい前から、歩道や車道のそうじをしている人たちをときどき見かけるという。40から50歳くらいの7、8人の男性で、全員が同じ黄緑色の作業服を着ている。何度か見るうちに、通りに面した平屋の小さな会社の社員さんらしいことがわかった。

ところが、そうじをするのは、自分たちの会社の周りだけではない。その範囲は水分離れた場所まで及んでいる。半径50メートルはあろうか。森岡さんはついつい自分の夫の姿と重ねてしまった。ご主人は家ではほとんど掃除を手伝ってくれたことはないという。きっとあの人たちも自宅ではそうじをしたことなどないのかもしれない。それが証拠に、なんだかほうきとちり取りを持つ手がぎこちない。みんなから見られているせいかちょっと恥ずかしげにも見えた。でもその一生懸命さが愛らしくおもえてしまう。

「うちの主人も会社ではそうじをしているのかなあ」「最初のころより、ササッとほうきの使い方が上手くなったなあ」などと思いながら通勤する。

気が付くと、朝から自然と笑顔になっている自分がいた。それだけで、その日1日が元気になれる。森岡さんから、そうじをしているおじさんたちへ。

「ご近所の人たちも通勤のドライバーも見てますよ。きっとみんな自分では手伝えなくても感謝していると思います。ずっと応援してますね。ありがとう」

<中日新聞掲載2010年9月26日>

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