ほろほろ通信『母が作るタオル帽子』志賀内泰弘

北区の水野悦子さんは(59)は、8年前、乳がんの手術をした。抗がん剤治療を受け副作用にも苦しんだ。幸いその後、転移することなく、現在は元気に生活している。大勢の人にお世話になった恩返しと思い、昨年からがん患者を支援するボランティア活動を始めた。

その一つがタオル帽子の製作だ。抗がん剤は副作用で髪の毛が抜けてしまう。頭が冷えないように温かくするためのものだ。またタオル生地なので柔らかい。おしゃれな柄で作るので、病室だけでなく自宅でも使うことができる。洗濯がしやすいのも利点だ。

ところが、悦子さんは裁縫が大の苦手。困っていたところ、一人暮らしをしている母親の八重子さんに話すと「私が作る」と言い出した。型紙と見本を持って行くと、2、3日研究して一つ目を作り上げた。

「お役に立てることが楽しくて仕方がない」と言い、夢中でミシンに向かう。とても90歳とは思えないほど元気。わずかひと月半の間に、100個近くの帽子を作ってしまった。悦子さんが参加しているNPO法人「ミーネット」を通じ、県がんセンターや名古屋医療センターなどの患者さんたちに届けている。

悦子さんは4人姉弟。みんなでタオルを買って母親に届ける。ちょっと頑固で律儀なところがあり、タオルの代金をくれるのだという。八重子さんは、これが生きがいになり、ますます元気になった。悦子さんは言う。

「私ががんになったとき心配をかけました。皆さんのためにもなり、かつ、親孝行もできたことがうれしいです」

<中日新聞掲載2011年09月25日>

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