ほろほろ通信『段ボール箱を探して』志賀内泰弘

東浦町の尾関千草さん(53)の娘さんは保育園に勤めて3年目。休日も行事の準備に追われている。尾関さんは以前、中学の先生をしていた。娘さんをゼロ歳から保育園に預けて働いていたため、幼い頃に十分に話に聞いてやれなかったことが心残り。その分、今できるかぎり仕事の悩みの相談に乗っている。

保育園の卒園式のため、アーチを作ることになった。冷蔵庫が入っていたくらい大きな段ボールが必要になる。尾関さんは娘さんと一緒にあちこち探したが見つからない。家電量販店でも「すぐに処分してしまいます」と言われた。

阿久比町の大型ショッピングセンターに出掛けたときのこと。家電売り場の店員らしき女性に尋ねた。主任らしき人に確認してくれたが「保管せず全部細かく裁断してしまう」とのこと。がっかりして帰ろうとすると、一緒にいた男性の店員さんが「ガスストーブが入っていた段ボールでもいいですか」と声を掛けてくれた。

娘さんが、なぜ段ボールが欲しいかを説明すると「僕の娘も保育士になって2年目です。休みもなく、たいへんな仕事ですよね。いつも100円ショップに行って材料を買ってきます」とおっしゃった。

実は、店員と思った2人はガスの代理店の社員だった。そのまま男性の後に付いて行き、荷台にある空箱を見せてもらった。十分な大きさだった。それを尾関さんの車までわざわざ車を回して運んで下さった。その上、ガス展の景品までプレゼントしてくれたという。

尾関さんから、
「ありがとうございます。おかげさまで娘の役に立ちました」

<中日新聞掲載2011年05月29日>

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