ほろほろ通信『また高山へ行きたい』志賀内泰弘

一宮市の森靖夫さん(68)は5年前、脳梗塞で倒れ歩行や会話が困難になった。しかし、リハビリのおかげでみるみる回復。その時、お世話になったのが若い理学療法士の裕子先生だった。

腰にベルトで作った輪を付け、補助しながらゆっくりと歩く練習をしてくれた。大きな声で「あいうえお」の発生練習。さらに本の朗読も。退院後も、週に1回の訪問でリハビリを続けていた。

ところが、その裕子先生の父親の具合が悪くなり、病院を辞めて郷里の高山へ帰ることになった。理由を知りつつも寂しい思いがした。

「森さんがしっかり歩くことができるのを見届けてから行きたかった」と言ってくださった。
その後も電話やメール、手紙でのやりとりが続いたという。そのたびに「ちゃんとリハビリやってる?」と励ましてくれる。うれしいことに、裕子先生の父親の具合もよくなったと聞いた。

ある日「高山に遊びに来ませんか」という誘いがあった。その言葉に甘えて、気候の良い5月に奥さんと二人で出掛けることに。

裕子先生が駅まで出迎えてくれた。つえをつきながら市内の見どころを案内してもらった。どうやら他にも、以前の患者さんたちを何人も高山に招いていることがわかり頭の下がる思いがした。以後、年に一度の高山行は3回を数える。

先日、裕子先生は彼氏を連れて森さんの家に遊びに来てくれた。まるで実の娘のような気分。「もっとリハビリに励み、5月にはまた高山へ行きたいです」と森さんは言う。

【まだリハビリ中のため妻の美枝子さんの代筆で便りをいただきました】

<中日新聞掲載2011年2月13日>

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