ほろほろ通信『親ばかですが』志賀内泰弘

名古屋市緑区の村山佳代さん(51)が、高校三年生の息子さんと出掛けた帰り道の話。

名古屋駅からJRに乗った。夜遅い時間だったので、ほとんど乗客はいない。ドアが開いて乗り込み、席に座ろうとすると、息子さんは少し離れた所へ歩いていってしまった。
「やっぱり年ごろの男の子は母親と一緒に座るのは嫌なんだなあ」と、ちょっと寂しい思いがした。

ところが、息子さんは誰もいない席に置いてあった空のジュースのペットボトルを手にして戻って来た。それを見て思わず「やだー、誰が飲んだか分からないような物を触らないでよ」と言うと「ごみだろ、こんなところにほかって」と答えた。村山さんは自分の言葉に恥ずかしくなってしまった。

息子さんは駅に着くとホームのごみ箱に捨てた。「ごめんね、嫌な言い方をして。それにしても偉いなあ」と言うと「別に当たり前じゃん」
と言う。

そういえば…。部活の合宿の帰りに学校へ迎えに行った時のことを思い出した。会うなり「あ、これ、ごみが入っているから」とスーパーのレジ袋を渡された。自分が食べた後のごみかと思ったら、バスの車内に置き去りにされた菓子の空き箱やペットボトルを最後に集めて来たのだという。「あなたは偉い」と褒めたという。

村山さんは「親ばかですが誇りに思います。それに引き換え、まだまだ修行の足りない母親です。このように子どもに教えられることがしばしば。人は死ぬまで勉強です」とおっしゃった。

<中日新聞掲載2009年11月22日>

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