ほろほろ通信『男らしさと優しさと』志賀内泰弘

一宮市の丸山裕子さん(40)の小学5年の長男は、学級文庫にある歴史まんがを読んで歴史に興味を覚えた。特に戦国と幕末が好きだという。それに影響を受けた小学二年の弟も歴史ファンになった。家族4人で関ケ原合戦410年祭に出掛け、当時の布陣を再現した家康隊や三成隊、鉄砲隊の演武を観覧したときの話。

イベントの最後に紅白の餅まきが行われた。たいへん混雑していたため「危険ですから小学生以下のお子さんは後ろに離れてください」というアナウンスが入った。やむをえず遠くから見物することに。

それでも餅が近くまで飛んでくることがある。「チャンス!」と思った瞬間、大学生と思われる青年の手がサッと伸びてきて取られてしまった。「悔しい」というよりもあまりにも見事だったので、隣にいたご婦人と「さすが若い人は反射神経が違うわねえ」と感心していた。残念ながら、とうとう一つも取ることができず餅まきは終了した。

ところが、先ほど絶妙に餅をキャッチした青年とその友人らしき二人が、後ろで見ていた子どもたちに餅を配り始めたのだ。丸山さんのお子さんたちも、それぞれ「ありがとう」と言ってうれしそうに受け取った。

2人の青年は会場を走り回って獲得した20個ほどの餅を全部配ってしまった。丸山さんは言う。

「戦国武将にも負けないくらいの男らしさと優しさを子どもたちの心に刻み付けたのではないでしょうか。うちの息子たちもそういう青年になってほしいと思いました」

<中日新聞掲載2011年2月6日>

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