ほろほろ通信『山崎川で「おはようございます」』志賀内泰弘

名古屋市港区の田中智世さん(43)がテニス大会に出場する娘さんの応援に瑞穂公園へ出掛けたときの話。

山崎川沿いを歩いていると、向こうから男女四人の大学生の一団が走ってくるのが見えた。陸上部のトレーニングのようだ。「おや?」と思った。田中さんの前を歩く人に、その学生たちが大きな声で「おはようございます」とあいさつしたのだ。きっと先生か先輩なんだろう、と思った。ところが、すれ違う全員にあいさつする。

そして、田中さんとすれ違う瞬間にも元気よく「おはようございます!」。とっさのことで、こちらも「おはようございます。頑張ってください」と返した。すがすがしい気分になった。あまりうれしかったので、帰宅すると家族にも話した。

実は、田中さんも趣味でランニングをしている。しかし、走っている最中は呼吸がえらくて、声をかけるなどという余裕はないという。せいぜい、顔見知りの人に軽く会釈するのが精いっぱい。ましてや知らない人に…。

「でも、きっと一回口にしたら、気軽に言えるようになれるかもしれない」と思い、まずはときどき同じ時間帯にすれ違う人に「おはようございます」と言ってみようと心に決めた。

ところが、そう思って以来、なかなかその人に会うことができない。いつものランニングコースであいさつできる日を楽しみにしているという。

<中日新聞掲載2010年8月29日>

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