ほろほろ通信『どこかで落とした500円玉』志賀内泰弘

清須市清洲東小学校六年の野中愛次郎君が、家族とスーパーマーケットに出掛けた時の話。食品売り場で485円のお菓子を買った。千円出して釣り銭を受け取った。ところが、家に帰ってみるとポケットには15円しかない。どこかで落としたのだ。車の中を捜したが見つからない。

その日にもらったばかりの小遣いだったのでショツクだった。落ち込んでいると、お母さんに「お店に聞いてみたら」と言われ電話をしてみた。するとレジの近くに500円玉が落ちていたので、落し物預かり所で預かっているとのこと。うれしくて大急ぎで受け取りに行った。

もし自分がお金を拾ったとしたらどうするだろうか。この時、野中君はこんなことを考えたという。心の中には2人の自分がいる。1人目の自分は「ラッキーじゃん。お金に名前が書いてあるわけではないし、自分の物にしちまえよ」と言う。そしてもう1人の自分は「ちゃんと届けるべきだよ」と。白状すると迷うにちがいない。「でも、最終的には届けると思う」と言う。それはなぜか。

いつもお父さんに、いろいろなことを教わっている。例えば「人が嫌がることでも人のためになることはしっかりやるんだぞ」。だから、掃除をすすんでやるようにしている。

また「人にしてもらったことはけっして忘れてはいけない」とも。だから、今回お金を拾ってくれた人に心から感謝している。でも、お店の人に尋ねたが、誰が届けてくれたのかわからない。「だからこの気持ちを伝えたくて投稿しました。本当にありがとうございました」と野中君は言う。

<中日新聞掲載 2010年6月6日>

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