ほろほろ通信『息子の友だちへ「ありがとう」』志賀内泰弘

昨年の12月半ばのこと。名古屋市守山区の木村まきさん(39)が仕事から帰ると、小学2年生の息子さんがトイレに入ったきり出てこない。おなかが痛いという。以前から大腸の過敏症があり、ときどきけいれんを起こしたように痛くなる。話を聞くと、息子さんも今帰って来たところで、友だちに助けてもらったのだという。

学校から帰り、家から少し離れた公園でサッカーをして遊んでいたら、おなかが痛くなってきた。ベンチで一人寝転がって休んでいたが、みんなは最初ふざけていると思ったらしい。ところが、だんだん顔色が悪くなり「大丈夫?」と声をかけ背中をなでてくれた。

それでも治らないので、相談をして家まで送っていこうということになった。3年生の子が息子さんを背中におぶった。その3年生の子が乗って来た自転車を2年生の子が引いて付いて来る。もう一人の子は両手に3個のサッカーボールを抱えた。寒さの中、1キロほどの道のりを何度も休みながら歩いて来たという。だんだん暗くなり1時間近くもかかってしまった。

木村さんは「力を合わせて送ってくれた姿が目に浮かびました。きっと息子の友だちはちょっとした親切のつもりだったのだと思います。でも、ものすごくうれしかった。

担任の先生にも報告したら涙を流して喜んでもらえました」と言う。さらに「保育士をしていて日ごろは子どもたちに教える立場にあります。小さな思いやりでも、受け取る側には大きな喜びになることを改めて気付かせもらいました。みんなありがとう」と。

<中日新聞掲載2010年2月21日>

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