ほろほろ通信『困ったときには助け合う校風』志賀内泰弘

豊橋市の時習館高校に通う秋山恵子さん(47)の息子さんは、入学したばかりの昨年の5月に球技大会でけがをしてしまった。足の骨折で松葉づえの生活を余儀なくされた。そのため、車で通学の送り迎えをした。ところが校門から校舎まで相当離れている。先生に相談すると、普段は車の入れない門を開けておき、特別に校舎の入り口まで車を着けることを認めていただいた。

午前7時45分到着。車を降りると、げた箱の所でクラスメートが駆け寄り、息子さんの大きな荷物を秋山さんからサッと受け取ってくれる。それは日によって人が代わる。隣のクラスの生徒ということもある。別に頼んでもいないのに…。そして「おはようございます」という明るいあいさつ。その自然な行動に胸が熱くなった。

授業で教室を移動するときにも、みんなが代わる代わる教科書などを運んでくれたという。また、手違いで校門の扉が開いていないことがあった。戸惑っていると、そばにいた女子生徒たちが「先生を呼んで来ます」と言って職員室へ走りだした。一人ではない。この学校のみんなが温かいのだと気付いた。

大学受験を控えている。仲間とはいえライバルのはずだ。しかし、心の教育をしているからなのか、誰もが困った人に手を差し伸べる。聞けば勉強でもわからないことがあると教え合うのだという。「○○してやったから○○してくれ」というのではなく、見返りを期待しない心を持っている。けがをして良き校風を知った。今は完治し、自転車で元気に通学している。

<中日新聞掲載 2010年2月7日>

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