ほろほろ通信『救急車が来るまでに』志賀内泰弘<中日新聞掲載2013年4月14日>

今から4年前のこと。

小牧市の運輸・倉庫会社に勤める吉川知宏さん(40)は、いつものように同僚とランチに出掛けた。事務所に戻ると、その同僚は机に顔を伏せて仮眠を取った。

ところが、休憩が終わる午後1時を過ぎても起きない。「よく寝てるね」と笑いながら周りの人が声を掛けた。よく見ると青ざめた顔をしている。意識がなく呼吸もしていなかった。慌てて救急車を呼んだ。

社員の一人が胸骨圧迫と人工呼吸の処置をした。吉川さんはどうしたらいいのか分からず、何もできないまま立ち尽くしていたという。

間もなく救急車が到着して病院に搬送。しかし、そのまま帰らぬ人となってしまった。

吉川さんはこれを契機に、小牧消防署の心肺蘇生法の講習会に会社の仲間と参加した。その後、自主的に講習を受ける社員が増え、社内には自動体外式除細動器(AED)も設置された。

それから2年後のある日のこと。吉川さんが仕事をしていると、納入に来ていた取引先のドライバーが、玄関先で倒れたという知らせが入った。駆け付けると意識がない。

講習で学んだAEDを作動させ、その後、胸骨圧迫を行った。間もなく救急車が到着して病院へ。後日、心臓の手術をして一命を取り留めたと報告があった。

以前、同僚を助けられなかったこともあり、ほっとした。

「ぜひ講習を受けられることをお勧めします。そして、倒れた人がいたら勇気を持って声を掛けてあげてください」と吉川さんは言う。

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