たった一言でコンテスト受賞作品★ホスピタリティ賞★『お疲れが出ませぬように』

<氏名>大釜さん
<年齢>72
<性別>男性
<住所>徳島県

<心に響いた「たった一言」>
「お疲れが出ませぬように」

<「たった一言エピソード」>
その日は大安だった。親類の人達と大阪のホテルに泊まる予定でいた。挙式も終わり夜も更け、思い出話の花も萎みかけた時、突然頭を殴られた。鈍器は鳴門の二女からの電話だった。

「にいちゃんが三宮で倒れた」

神戸へ急ぐタクシーの中では、京都在住の三十三歳の長男が・・・何で? 重体と言う意味が理解出来ない。何度も何度も答えの出ない質問で脳みそを攻め続けた。

手術を終えた長男は、三十床あるICUの一角で眠らされて、医療器具、医薬品に取り囲まれていた。「兄ちゃん」と声を掛けると一瞬起き上がろうとしたがナースさんに静止された。それ以後は目を閉じたままだった。

先生からは「手術は成功」と告げられ、手書きの心臓の図を前に説明を受けた。

「ここ四、五日が山。越えれば十パーセント生存率」

涙腺は弛み始めた。閉じようとしても閉じられない。私たち親子四人は家族説明室を出てから、涙腺は全開になり、最早閉じる術を失っていた。ICU前の廊下に三人掛けのソファが並べてある。それをベッド代わりに、それぞれが横になり夜が明けるのを待った。その夜から院内ホームレス生活を一年間、送る事になるとは夢にも思わなかった。

長男とお別れしてから十年の月日が流れました。一年間、院内ホームレス生活をしていると色々な事がありました。私たちを見て「お疲れが出ませぬように」の言葉を残して一般病棟に移って行かれた方の言葉が今でも忘れる事はありません。

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