<掲載時のお名前>なかむりん
<年齢>42
<性別>女性
<住所>神奈川県横浜市
<心に響いた「たった一言」>
「次に着る人が、気持ちいいでしょう」
<「たった一言エピソード」>
小学生のころ給食当番の白衣を持ち帰ると、母が洗濯をしたあと、アイロンがけは必ず自分でするよう言われていました。初めのうちは、面白半分で、むしろやりたがったものでしたが、高学年になるにつれて、面倒に思うようになりました。
しかし、学校の先生からは、「持ち帰った白衣は必ず洗濯するのはもちろん、消毒のためにアイロンもかけてきてください。」と言われていたので、やらざるを得ません。そろそろ反抗期だった私は、しぶしぶアイロンをかけながら、傍にいた母に、「洗濯したらきれいなんだから、わざわざアイロンなんていらないのに」と不満を言いました。
すると母は、「しっかりアイロンをかけた方が、次に着る人が気持ちいいでしょう」と言ったのです。
その一言に、私は目から鱗が落ちる思いでした。思えば、私が給食当番になって袖を通した白衣も、いつもパリッとアイロンがかかっていました。次に着る人のことを思って、丁寧にアイロンをかけてくれたのだと思うと、とても暖かい気持ちになるのと同時に、いやいやアイロンがけをしていた自分の心の狭さに気づかされたのです。
この母の一言は、私にとって、「誰かのために何かをする」ということの心地よさを自覚させてくれた、最初の言葉なのです。