<掲載時のお名前>ぷくぷくさん
<年齢>22才
<性別>女性
<心に響いた「たった一言」>
「またね」
<「たった一言エピソード」>
中学一年生の時、十か月間の長期入院をしました。初めての入院で先も見えず、不安と孤独でいっぱいだった毎日。しかし周りに余計な心配をかけたくなくて、大丈夫だと強がっていました。
そんな時に前触れもなくお見舞いに来てくれた父。久し振りに会うのは何だか照れくさく、素直に嬉しさを表現できませんでした。話したいことがあり過ぎて気持ちに口がついていかない中、あっという間に時間は過ぎ、「そろそろ帰らないとな」と父。
帰って欲しくないけれど、帰らないでとは言えない。父の言葉に適当な返事が見つからずに黙ってしまいました。そんな私を見た父が言ったのは、「またね」でした。
今まで何気なく発してきて、何気なく聞き流していた「またね」という言葉。その響きがとても優しく温かく感じられました。終わりではなく次がある。だから「またね」は寂しくありません。
そのたった一言のおかげで、笑顔で父を見送ることができました。