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ほろほろ通信

第2770号『かえって良かったです 』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

豊橋市の松下芳子さん(93)は、骨折などで足が不自由になり週2回、デイサービスに通っている。元気だった80歳ごろまでは一人で電車やバスに乗りどこへでも出掛けていた。2005年に愛・地球博が開催されたときは一日中、会場を歩き回ったそうだ。 まだ一人で歩くことができたころの豊橋鉄道・渥美線の車内での話。 松下さんが高師駅から乗り込むと、満員で座席は空いていなかった。重い手荷物があったので「弱ったな」と […]

チャイムが鳴って出てみると|ほろほろ通信 志賀内泰弘

小牧中学校の校長玉置崇さん(56)は自家用車で通勤している。 6月のある日のこと。いつものように帰宅すると、いったん家の前で車を止めた。車の通りが激しい県道に面しているので、信号のタイミングを見計らい、バックで車庫に入れるためだ。 ハザードランプをチカチカさせて、信号が赤に変わるのを待つ。車を車庫に入れ、家の中に入ってほっと一息ついていると、チャイムが鳴った。 「誰かな」と思い、窓の隙間からのぞく […]

『親ばかですが… 』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

瀬戸市の加藤太伸さん(61)の娘さんはアパレルメーカーに4年間勤めていた。ところが、突然辞めて転職するという。これには大反対した。東京本社で商品企画の部署に就き、将来を有望視されていた。 大企業なので安定もしている。転職希望先はベンチャー企業。誰もが知る有名な会社ではあるが、勤務時間が長いなど労働条件が厳しくて離職率が高い。しかし反対を押し切り、勝手に転職してしまった。 しばらくして娘さんから加藤 […]

『兄弟の遅刻の理由』|ちょっといい話 志賀内泰弘

安城市の片桐さおりさん(41)の家の前には長い長い一本道がある。両側はほとんどが田んぼだ。その道は通学路になっていて小学生の分団が通る。 一つの班は平均10人程度。それが10班以上も延々と連なって歩いて行く。片桐さんは洗濯物を干しながら、毎朝その様子を見ている。班長の子どもは大変だ。歩くのが速い子もいれば遅い子もいる。中には、ふざけて田んぼに落ちてしまう子もいるという。 ある春の日のこと。すべての […]

『お義母さん大事にせにゃあかんぞ』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

今から42年前の話。大森信子さん(65)は三重県松阪市の生まれ。学校を卒業後、一宮市役所に就職し保育園で働いていた。 職場で出会ったご主人と結婚することが決まった時、親戚中から「大変だね」「苦労するよ」と言われた。尾張地方では嫁入りにお金がかかるという話が近県にまでも聞こえていたからだ。 また、子どもが生まれると、嫁の実家が節目節目にいろいろな物を準備しなくてはならないとも。七五三、こいのぼり、ひ […]

『手話って美しいですね』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

名古屋市緑区の小沢きよのさん(69)は手話サークル「たんぽぽ」の一員で、地域の小中学校での手話養成講座などボランティア活動をしている。 25年前、子育てが一段落したのを機に、緑区の生涯学習センターで手話講座を受講。耳の不自由な人たちと一緒に机を並べて学んだ。終了後にその仲間でサークルを立ち上げ、現在まで続けている。 思い返すと、当時は手話がまだ世の中に認知されていなかったように思えるとのこと。電車 […]

『3月11日が誕生日』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

美浜町の主婦石黒いさをさん(71)の誕生日は1月17日。18年前、阪神淡路大震災が起きたその日の夜、家族が集まって誕生会を開いてくれることになっていた。 しかし、とてもお祝い気分にはなれず中止に。その後も毎年、家族が誕生祝いをしてくれるというのをかたくなに断り続けた。 代わりに、3人のお孫さんが似顔絵などを描いてプレゼントしてくれたこともある。そして2年前「そろそろ…」ということで解禁にして、16 […]

『オリエンタル中村にいる』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

40年以上も前の話。名古屋市名東区の横井和子さん(79)はご主人を早くに亡くした。その時、長女が9歳、長男は7歳だった。 亡くなる前の2年間、ご主人は大阪に単身赴任しており、週末だけ帰宅。日曜の夕方、新幹線を見送りに行くと「あ〜あ、行っちゃった」と長男はぽつりとつぶやいた。二人の子どもをふびんに思い、和子さんの父親がよく遊びに来てくれていた。 ご主人が亡くなり、何カ月かたったある日の夕方のこと。長 […]

『黙々と草取りをする人』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

小牧市の駒城欣子(こまき)さん(72)の住む町にはブランコや砂場、雲梯(うんてい)、滑り台などの遊具が設置されている公園がある。春になると雑草が芽を出し、夏にはぼうぼうに茂る。 そこで日曜の朝、町内会で草取りをする。ブロックごとに交代で20人くらいが参加。ところが取っても取っても、しばらくすると再びびっしり生えてくる。 1年ほど前のことだ。朝7時半ごろ、犬の散歩の途中にその公園を通り掛かると、一人 […]

『胸の傷痕』|ほろほろ通信 志賀内泰弘

瀬戸市の中学教諭で、現在は市教育委員会に勤務している渡辺康雄さん(49)は30歳のとき、人間ドッグを受診した際に「胸に腫瘍がある」と告げられた。 あまりにも唐突で信じられなかった。 「そんな重要なことは、まず親族に話をするはず。うそに違いない」 と思った。ところが医師は「○○病院に手術の上手なお医者さんがいるので、紹介状を書きます」と真剣な表情でペンを走らせた。 数日後、紹介先の病院へ行くと、医師 […]

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プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動とは?

ゆっくりでいい。一歩ずつでいい。
自分のできる範囲でいいから、
周りのことを思いやる世の中を作ろう

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